2017年4月4日掲載

国際貢献できる消防人を めざしています

自分の未来へつなげる 卒業生の今

神戸市消防局 配属先:神戸市長田消防署

人間科学部ビジネス行動学科 (2012年度卒業)

上田 樹さん

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 関西国際大学の硬式野球部は、全日本大学野球選手権大会では最高位ベスト4、 明治神宮野球大会では東京六大学の明治大学を破りベスト8に入るなど、 さまざまな実績を積み上げ、プロ野球や社会人野球にも選手を輩出し続けている。 厳しい練習でも知られる野球部に所属し、白球を追うキャンパスライフを過ごしていた上田樹さん。 彼は、現在、神戸市消防局で消防士として活躍している。

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―野球メインで、勉強は二の次という学生でして…

 僕はもともと野球部入部を目的に関西国際大学に進学しました。学生生活は野球部の活動が中心だったから、どんな勉強をしたかと聞かれると返答に困りますね(笑)。

 関西国際大学の硬式野球部は強豪です。部員は智弁和歌山にPL学園、帝京高校など、甲子園の常連校出身ばかり。練習も厳しかった、あんな厳しい練習はない。想像していた以上でしたね。それでも鈴木英之監督のもと、大学野球の頂点に近い環境で野球をやらせてもらえたことは、非常にいい経験になりました。

 プロになりたいという思いはあったけれど、3年生にもなると、それは難しいという現実も見えてきます。そこで、次に何をするかと考えているときに、ふと思い出したのが、地元加古川市の救助隊の訓練を見て、すごいなあと目を輝かせた、子どもの頃の体験。  消防局の採用試験は、筆記試験、体力試験、面接で、部活中心の生活を送っていた僕にとって最大の関門が一次の筆記試験です。試験前の半年間は、人生で一番勉強しました。机に向かって勉強するのは当たり前、風呂に入っているときも、電車に乗っているときも、ランニングをしているときも、していない時間はないというくらい。あれだけ短期集中で勉強し、結果を出せたのは、野球で鍛えた体力や精神力の賜物かもしれませんね。
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―目下の目標は、専任救助隊の隊員になること

 神戸市消防局に入局し、日々の業務や活動、さまざまな訓練を行いながら、2年前、僕は救助隊員の資格を取得しました。次なる目標は、救助活動を専門とする専任救助隊になること。火災や交通事故、機械による事故や、山や海での事故などさまざまな救助活動を専門とする部隊です。  火事や事故現場などで見かける、オレンジ色の救助服を着た隊員、一般にはレスキュー隊と呼ばれたりしますね。

 専任救助隊になるには、さまざまな研修を受け、厳しい選考を通らなければなりません。さらにその先にある、特別高度救助隊も視野に入れて、経験を積み重ねている最中です。

 ちなみに、神戸市の特別高度救助隊は「スーパーイーグルこうべ(SEK)」、東京は「ハイパーレスキュー」、横浜市は「スーパーレンジャー(SR)」とか、通称は部隊によって違うんです。大規模災害や特殊な災害にも対応できる資機材を装備していて、国内はもちろん、海外に派遣されて国際消防救助隊(IRT)として活動を行うこともあります。

―「危険から人を救う」という仕事

 消防局の主な業務は、消火、救助、救急などを通じて、市民の安全安心を守ること。出動していないときは、あらゆる火災、災害を想定した訓練を行って、どんなときでも迅速、的確な活動ができるよう備えています。それ以外にも、建物の安全性や消防設備をチェックする予防業務や、市民への防災の広報活動なども行っています。
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 神戸市は阪神・淡路大震災の教訓をもとに各地区で「神戸市防災福祉コミュニティ」が結成されていて、自助・共助の意識が高いことが特徴です。そこに公助を担う立場で協力するのも仕事のひとつ。例えば、防災福祉コミュニティの訓練に立ち会ったり、最近の火災の傾向をレクチャーしたり、防災のアドバイスをしたり。

消防人が担っている重要な役割は、災害時に市民を危険から救い出すということ。世の中に人の役に立つ仕事は数多くあるけれど、消防士ほど直接的に人々を救える職業はそうはないんじゃないかな。

関西国際大学に学ぶ後輩たちへ

 僕が日々の業務に取り組むうえでモットーとしているのは、指示を待つのではなく、自ら主体的に動くこと。ベースにはやはり野球部での体験があって、鈴木監督の指導で、自ら考えて自分に必要なトレーニングを行う自主練が重視されていたことが影響しています。

  学びの面では、ビジネスマナーの講義がとてもに役に立ちました。これは全学的な必修にしてもいいくらいだと思います。  僕が学んだビジネス行動学科が今はなくなってしまったことは少し寂しいですが、僕が通っていた頃よりも学部が増えましたよね。今、大学で学んでいるみなさん一人ひとりが、自分の将来に向かって最短距離でアプローチできる環境が、関西国際大学には整えられていると思います。日々精進あるのみ!

 「グローバルスタディ」として、人間科学部と教育学部で海外体験学習が必須となったとも聞きました。僕自身は、父の仕事の関係で小学校時代の約3年間をアメリカで暮らした経験があります。十分な英語力が身についているとは思いませんが、さまざまな国の人とコミュニケーションをとる上での心の壁はなくなりました。消防署にも「道を教えてほしい」「財布を落とした」などと海外の方が訪れることがありますが、構えることなく対応をしています。

 言葉の知識は最小限でも構いません。ためらわずに話す姿勢が大切なのだと、みなさんにも知っておいてほしいです。

Profile 上田 樹さん うえた・いつき

出身学部学科 人間科学部ビジネス行動学科 (2012年度卒業) 所属 神戸市消防局 配属先:神戸市長田消防署

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