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    【人間科学部】< 心理学コラム >『災害心理学を考える - やっかいな心理バイアス -』

     

    【2019年5月21日】

    大地震、豪雨や台風による風水害、火山噴火、あるいは列車事故や各種の交通事故など、私たちの生活には「災害」がつきものです。


    このような自然災害・人為災害を人はどのように認識し、また災害に遭遇した際にどのように行動してしまうのか、そのような人間の心理学的特徴を理解したうえで、人々が災害を避けたり災害から受ける被害をできるだけ少なくしたりするための対応・対策を提供しようとするのが災害心理学です。

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    さて、このコラムでは災害などの緊急事態に対して人はどのように行動しがちであるのか、言いかえると人がとりがちな心理バイアス(傾向、偏り、癖のようなもの)を紹介します。あらかじめこのバイアスを認識しておくだけでも、いざという時に皆さんの助けになると思います。

     

    私たち人間が周囲の状況を認識するときに、実は「速い認識」と「遅い認識」の2種類を使っていることがわかってきました。素早く直感的に状況を認識する「システム1」と、ある程度時間をかけて情報を吟味し論理的に状況を認識する「システム2」の2種類です。


    緊急事態に遭遇したような場合、まずはとっさに判断する必要がありますから、「システム1」を活用してなんらかの対応行動を取ることになります。とっさに判断するのだからすばやく逃げるのだろうと思うかもしれませんが、実はそんなに簡単な話ではありません。

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    例えば、人がたくさん歩いているような駅構内や地下街などで突然非常ベルが鳴りだしても、人々はすぐに逃げようとはせず「これは避難訓練かもしれない」とか「自分の周りには何も起こってなさそうだ」といった判断をして、しばらく様子を見たりそのまま普通に歩き続けたりすることが見受けられます。


    これが心理的癖のひとつである「正常性バイアス」です。自分は大丈夫と思うことでひとまず安心感を得るという効果はありますが、本当に危機が迫っているときには逃げ遅れるという結果につながることもあります。

    これに付随するのが「同調バイアス」です。自分一人だけでなく周りに人々がいる場合、まずは他者の行動を参照してそれに同調してしまうことがやはり癖としてあります。

    人々が逃げる行動をとれば同調して一緒に逃げますし、逆に人々が逃げないでじっと様子をうかがっているとやはり同調してその場に留まってしまいます。


    正常性バイアスに同調バイアスが加わると2重のバイアスで行動が大変偏ってしまう可能性があるわけです。

    緊急時の行動に顕著な影響を及ぼす恐れのある心理バイアスは、このほかに何種類もありますが、これはまた別の機会に取り上げましょう。

    太田裕彦教授

    【 人間科学部 人間心理学科 太田 裕彦 教授 】

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