KUIS 関西国際大学
 特色GP採択記念シンポジウム「初年次教育とポートフォリオ評価」

 本学の初年次教育に関する取組が、平成18年度の文部科学省の「特色ある大学教育支援プログラム」に採択されたことを記念して、5月18日(金)に神戸国際会館9階大会場で、「初年次教育とポートフォリオ評価」と題するシンポジウムを開催しました。100名を超える大学教職員・教育関係者らが集まり、大学における「初年次教育」のあり方と、大学教育へのポートフォリオ評価導入について議論しました。

 最初に、本学の濱名篤学長による「アウトカム評価とポートフォリオの活用」と題した基調講演が行われました。
 その中で濱名学長は、現在、学士課程教育が多様化する中で、「大学が学士にふさわしい質保証をどのように行うのかが社会から問われている」と問題提起を行いました。
 大学教育の役割として、「ジェネリックスキル(=社会で必要な汎用的能力)の育成」をあげ、「ジェネリックスキルは、大学教育全般を通じて学生が身につけるべきもので、専攻分野に関わらず、大卒の能力を保障するものである」と説明しました。 また、評価の方法については、「世界の動向として、アウトカム評価(=卒業時に何ができるようになったか)へとシフトしつつある」とし、「多様化した大学自身が、大学卒業時に何ができるようになるのかを学生に発信する必要がある」と語りました。最後に、「ジェネリックスキルのアウトカム評価」の具体的な手法として、「ポートフォリオは有効な方法のひとつである」と結論づけました。

 次に3名の講師が、各大学で実践している「ポートフォリオ」について、事例報告を行いました。内容は以下のとおり。

 事例報告1: Assessing Learning Outcomes with ePortfolios
     Sharon Hamilton 氏 (米国・インディアナ大学:Indiana University Purdue University Indianapolis)

 事例報告2: 学ぶ意欲を引き出すための教育実践−KITポートフォリオシステムを活用した目標づくり
     藤本 元啓 氏 (金沢工業大学)

 事例報告3: 目標管理と学習成果の統合化ツールとしてのEポートフォリオ
     岩井 洋 (関西国際大学)

 続いて、コメンテーターに神戸大学の川嶋太津夫氏を迎えて、会場からの質問をもとにパネルディスカッションが行われました。会場からは、個人情報の取り扱いの問題や、ポートフォリオを使った具体的な評価方法、教員から学生へのフィードバックの仕方など、今後のポートフォリオの活用を見据えた質問が多数寄せられました。

 本シンポジウムを通して、初年次教育に関する組織的な取組のありかたや、Eポートフォリオの導入に関する諸問題などを明確にすることができました。
 参加者からは、Eポートフォリオの導入による具体的な成果や教育効果についての質問が寄せられました。これらをふまえ、明確な成果や教育効果を提示できるように、本取組を改善していきます。


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2007/5/21開設