KUIS 関西国際大学
 公開講座「高齢者の権利擁護について」を開催
 

 2月20日(火)、三木市立福祉会館において、三木市と共催で、公開講座「高齢者の権利擁護について」を開催しました。人間学部教育福祉学科社会福祉専攻の山本秀樹講師が、「高齢者虐待の現状と課題」をテーマに、集まった介護保険関係者、一般市民、学生ら約60人の前で、2時間の講演を行いました。

 高齢者虐待は、最近ではニュース報道でもよく取り上げられるようになり、高齢者が自宅で家族から虐待を受けたり、入居している介護施設で職員から虐待を受けたりするケースが多数報告され、高齢者の人権が守られない「高齢者虐待」が深刻化しているのが現状です。2006年4月には、高齢者虐待防止法が施行され、高齢者の虐待に関する国・地方公共団体の責務が定められました。

 講演の中で、まず最初に、虐待の要因、高齢者虐待のタイプについて説明がありました。次に、参加者に「高齢者虐待」と思われるものを6つ考えてもらい、それぞれが「身体的虐待」「心理的虐待」「経済的虐待」など6種類に分類される虐待のどれに当てはまるのか検証を行いました。

 高齢者虐待防止法に関して山本講師は、3つのポイント「@国と地方公共団体に虐待を防ぐ責務がある」「A虐待をみつけた人には通報義務がある」「B立ち入り調査が認められている」を挙げて説明しました。
  一方で、「システムを作るだけでは不十分で、日頃から地域住民がお互い気にかけあい、虐待への『気付き』(発見)が大切である」と強調し、「高齢者虐待防止法は、あくまで虐待が行われてから施行される法律であるため、その前に虐待が起こらないようにする仕組みづくりが必要」と警告しました。

 参加者からは、「虐待の発見の手がかり、対応のポイントなど、実際の業務を行うに当たり、大変参考になった」「虐待が身近にあると感じ、自覚なしにしてしまう例が多いことに気付いた。自身も注意したい」「高齢者支援について一人ができることは限られている。地域ネットワーク・システムの必要性を感じる」といった感想がありました。


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2007/2/21開設