KUIS 関西国際大学
 前兵庫署長の古河教授が「地域の防犯」をテーマに講演

 前兵庫警察署長で、今年4月から人間科学部人間心理学科犯罪科学専攻の教授に着任した古河逞箭(たくや)教授による公開講座「安全安心なまちづくりの実現に向けて」が、 7月28日(土)に本学で開催され、市民ら約20名が参加しました。古河教授は、警察官時代のエピソードを交えながら、日本の治安の現状や、悪徳商法の手口について説明し、最後に犯罪予防の具体例を紹介しました。

  古河教授は、1969年に兵庫県警に採用され、警察学校教官や生活経済課長、兵庫署長などを歴任し、今年3月で退職した後、この4月に初の県警出身の大学教授として本学に着任しました。現在は、「犯罪学概論」「犯罪関連法論」の講義やゼミを受け持っています。

 講座の中で、まずは「日本の治安が悪くなったと言われているが、本当に悪いのか」考えました。これに対して、古河教授は、「統計上は確かにこの10年間で犯罪数が増えているが、時代によって範囲や制度が異なっているため、数字だけで治安が悪化したと判断するのは危険。報道の行き過ぎが人々の不安をあおっているケースもある」と警告する一方で、「昔は1人の犯罪者が複数の犯罪を犯すことが多かったが、今は幅広い世代や層にわたって、軽犯罪を犯す傾向にある。とくに、器物損害、部品盗、万引き、自転車盗の増加が目立つ。これらの街頭犯罪を取り締まり、減少させないことには、市民の体感治安は改善しない」 と語りました。

  次に、市民生活の隙を狙った「点検商法」「ペーパー商法」「マルチ商法」などの様々な悪質商法について紹介しました。「三木市は犯罪の少ない安全な町であるが、それが逆に悪質業者に狙われやすい。振り込め詐欺については必ず電話をかけ直して確認するなど、悪徳業者の巧妙な手口にひっかからないように」と注意を促しました。

 最後に、「地域の犯罪を減らすにはどうすればよいのか」犯罪予防について考えました。古河教授は、「警察だけで対処するには限界がある。市民による巡回パトロールなど、住民・学校・自治体・警察・事業者等が連携して防犯に取り組んでいる地域は犯罪発生率が低い」と説明し、人々の「安全安心なまちづくり」への参加協力を呼びかけました。


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2007/7/30開設