KUIS 関西国際大学
 公開講座「高齢者虐待について考える」を開催しました

 10月22日(月)に三木市立教育センターにおいて、三木市介護保険課と共催で、公開講座「高齢者虐待について考える」を開催しました。教育福祉学科社会福祉専攻の山本秀樹講師が講師を担当し、介護支援専門員、看護師、地域住民ら60名が参加しました。

 高齢者への虐待の問題は、近年深刻な問題となっており、2006年4月には、高齢者虐待防止法が施行されました。この法律では、国・地方公共団体の責務が定められ、高齢者虐待の早期発見・早期対応を図るとともに、擁護者の支援を行い、その負担の軽減を図ることを掲げています。

 今回の講義は、グループに分かれてワークショップ形式で進められました。参加者の体験から学んでもらおうと、「これって人権侵害?」と思われるものをグループごとに挙げていきました。具体的には、他者からされて大変つらかったこと、悲しかったことをカード5、6枚に書き、グループ内で似たものを組み合わせ、次に「身体的虐待」「世話の放棄・放任」「心理的虐待」「経済的虐待」「性的虐待」の5つに分類しました。

 この演習の目的は、虐待の定義と実際を理解し、短期的には「虐待の兆候を発見し予防すること」、長期的には「虐待のない社会をつくること」にあります。山本講師は、「虐待への『気付き』が大切で、価値観が多様化し他者と生活上の接点が少なくなっている中、虐待を発見するのは難しくなってきている」と警告しました。また、高齢者虐待について理解していくには、「定義と実際の関連のありようをできるだけ具体的に理解することが必要」と強調しました。

 本学の現代GPプロジェクトでは、三木市と協働で、今秋に「三木市高齢者虐待対応マニュアル」を作成しました。今後、このマニュアルを通して、地域の高齢者虐待防止推進の役立てたいと考えています。


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2007/10/23開設