佐藤ゼミ(スポーツ心理学専攻3年)では、 4年次の卒論作成に向けて、論文執筆のルールとマナーの確認、文章構成の仕方や表現上の工夫などを練習課題の一環 に組み込んでいます。時節柄、今回はサッカー・ワールドカップに関連するトピックを取り上げ、開幕戦の西村主審のPK判定をめぐる報道のされ方に注目してみました。
課題は、1)判定に対する賛否両論それぞれのロジックを並べて紹介し、2)これを比較考量したうえで自分の意見を展開する、3)その際、引用や脚注のルールにも注意して文章を組み立てる、というものです。
ゼミにはサッカー部員も多くいるため、問題の場面については自身の経験も踏まえて、かなり専門的な解説も織り込まれており、小論とはいえ、なかなかに深い掘り下げができました。書き上げた小論は、相互に交換して、コメントを書き込んだり、面白いと思う部分に下線を引いたり、あるいは校正をしたりした後で本人に返却します。
他人の草稿を見ると、 意外な着想や文章表現上の個性などが発見できて、同じテーマと材料を使っても、こんなに書き方が違うものか、とあらためて気付き ます。また、コメントを付された自分の草稿が返ってくると、自分ではわかったつもりで書いているものが、ひとりよがりで相手に通じていなかったりすることに気づくこともあります。
教 員宛てにレポートを提出するだけでも、教員側のコメントが付いて返ってくるので役には立ちますが、その前に相互チェックをすることで、また違った発見 があるものです。
ゼミでは、こういう課題を反復しながら文章表現力を鍛えていくことも、佐藤ゼミの活動の特色であります。
担当:佐藤広志(教育学、スポーツ教育学)
2014-07-01