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    【学長室】2014年度 学位記授与式 学長式辞

    ご卒業おめでとうございます。


     保護者の皆様方におかれましては、4年間本学の教育活動にご支援いただきましたこと、そして、本日の卒業生の旅立ちを一緒にお祝いいただきますことに心より感謝申し上げます。


     昨日で東日本大震災から4年が経過し、本日の学位記授与式開式にあたっても黙祷を捧げました。みなさんが学んだ4年間が、東日本大震災の発生とともに始まり、奇しくも学位記授与式の日の新聞記事が震災から4年を伝える記事であるという事は、何かのめぐり合わせなのではないかと感じずにいられません。みなさんの世代は、東日本大震災のような大きな災害を体験・実感した世代の始まりであろうかと思います。それまでの日本では、このような災害や事故で自分たちの生活が脅かされるとは考えず、安全・安心が当たり前の事であるという認識であったと思います。しかしながら、現在においては、このような自然災害や事故の発生、あるいは情報化の進展によるコミュニケーションのあり方の変化など、これまでと異なった大きな変化の中で、安全・安心が当たり前どころか、将来予測が困難な時代となってきています。


     世界では宗教や民族、国家間の対立による戦争やテロという言葉を聞かない日はなく、グローバル化の進展は、世界規模での企業買収や、日本国内におけるアジアからの観光客の増加などをもたらし、世界は互いに緊密な関係となってきています。また、貧富の格差拡大が問題となっており、トマ・ピケティ『21世紀の資本』によると、貧富の差を放置すれば19世紀の水準まで戻りかねないとしており、アメリカでは上位10%の富裕層の所得が全体の50%を占めるなど、資本主義では貧富の格差が拡大する傾向にあるとしています。このようにさまざまな問題においては、単一の学問分野の知識だけでは解決できず、最終的に問われるのは「正義」を判断する力だと私は考えています。ハーバード大学のマイケル・サンデル博士の人気授業「Justice」、これが「ハーバード白熱教室」としてテレビに取り上げられたのですが、そこでサンデル博士が引用したジョン・ロールズの著書『A Theory of Justice 』の中で、「格差原理」という事が述べられています。これは個人に分配された天賦の才を全体の資産とみなして、才能に恵まれた者は誰であれ、才を持たない者の状況を改善するということでのみ、その幸運から利益を得ることができるとされているという考えであり、つまりは、豊かに生まれたものだけが富を得ることは正義に反するというということです。この理論は、格差の問題を解決するためには、共感的態度や多様性理解などに基づいて互いに協働することなどを通じ、個々人が社会に能動的に参画することが大事であると説いています。トマ・ピケティは、この答えのない難題に「世界的資本税」の導入を提案しています。これは、とてつもない提案であるばかりでなく、問題を発見し、批判するのみにとどまらず、“change”のための“Challenge”を“Active”に提案しており、これは大学で学んだ者がとるべき行動であるかと思います。


     本学の教育目標は、「KUIS学修ベンチマーク」に掲げられており、このベンチマークをどれだけ達成できたかについて、みなさんに自己評価をしてもらっています。調査の結果、みなさんの自己評価がどれだけ高まったかというと、最も高かったのは『規範遵守』で、2番目が『共感的態度』、3番目が『多様性理解』でした。自身が最も伸びたと感じている能力は『規範遵守』であり、続いて『自律性』『意見交換・調整力』『情報収集・活用力』となっています。これらの力は、業種や職種を問わず大卒者に求められる汎用的能力やコンピテンシーと呼ばれるものであり、みなさんはこれらを身に付けてきました。しかしながら、大学卒業後に大学で学んだ知識だけで困らないかといえばそうではないでしょう。次々と問題や課題は変化し、模範解答は存在し得ません。しかし、そのような時にこそ本学で身につけた力、グローバルスタディ、サービスラーニング、インターンシップなどの様々な体験で得た学び、自分ならではの経験、他人に誇れるものなどを思い出してほしいと思います。ぜひ本日の卒業という日に、それぞれ在学中に何を身に付けたのか、しっかりと振り返っていただきたいと思います。


     昨日、本学の卒業生からメールをもらいました。「大学での現場での学びを通じて、自分の至らなさを知り、座学にも身が入りました。何のために学ぶかという目標を見失わず、4年間学ぶことができ、学問は人を幸せにするためにあるということを関西国際大学の先生から教えていただきました」という事が書かれていました。


     みなさんには、自分のためだけではなく、人を幸せにするために4年間学びを積み上げてきたのだということ忘れないでほしいと思います。それとともに、この大学での人との出会いというものを大事にしてほしいと思います。グローバルスタディやサービスラーニング、インターンシップなど学外での学びを通しての出会い、よき友人との出会い、みなさんを支えていた教職員、家族との出会いというものを大切にしてほしいと思います。


     私ごとになりますが、私はこの3月で10年間学長を務めてきました。振り返ると、ここまで務められたのは、大学時代に、現在も目標としております当時の上智大学学長のヨゼフ・ピタウ先生に出会えたことから始まっているように思います。また、私をささえてくれている教職員との出会い、そして日々刺激と心配を与えてくれた学生諸君、みなさんとの出会いが私にとっての大きな財産になっています。みなさんにとって、本学での出会いが大きな財産となり、これからの人生を支えてくれることを希望してやみません。


     最後に、みなさんに問いたいと思います。私は卒業生一人一人に学位記を授与する際、「頑張って下さい」という言葉をかけました。しかし、これ以上、頑張れとは言わないようにしようと思います。すでに頑張っている人には、頑張れと言っても意味のない言葉であると思います。それよりも、みなさんが自分の将来に対して何を期待し、どのような可能性を切り開こうとしているのか、それを問いたいと思います。みなさんが新しい目標にチャレンジし、そして可能性を切り開いていかれる事を心から信じ、そうあるように願いたいと思います。


    最後に、改めて申し上げたいと思います。ご卒業おめでとうございます。


    2015年3月12日
    学長 濱名 篤

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