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    【学長室】2015年度 入学式 学長式辞

    学長式辞


     新入生の皆さん、交換留学生の皆さん、大学を代表して心より歓迎いたします。
    本日は良い天気に恵まれ、桜が満開の中このように入学式を挙行できますことを心より喜びたいと思います。新入生483名、編入、転入学生8名、大学院12名の計503名、そして5大学より交換留学生5名の方を迎えることができましたことを大変嬉しく思っています。また、本日ご臨席いただきました来賓の皆さま、多くの保護者の皆さま方に見守っていただき、式を執り行うことができますこと、重ねてお礼申し上げます。
     さて、関西国際大学は「国際」という言葉がついている大学です。現在の日本社会は、グローバル化によって大きな影響を受け、答えが1つではないことが当たり前という多元社会になっており、何が正しいのか、歴史的事実も,将来予測も難しい時代となっています。
     グローバル化がすすむことにより、社会的格差は拡大し、20世紀の常識であった「資本主義の発展とともに富が多くの人に行き渡って所得分配は平等化する」という近代経済学の常識は、フランスの経済学者トマ・ピケティの著作『21世紀の資本』によって問い直されています。その内容は“富が富裕層に偏って蓄積する現象が多くの国で続いており、不平等や格差が今日も拡大し続けている”というものです。日本も好むと好まざるとに関わらず、グローバル資本主義に巻き込まれ、産業の国際競争力低下、財政危機、年金破綻、医療費増加、非正規就業等の問題が深刻化し、世代間格差も拡大しました。自由主義や資本主義といった社会原理自体が揺らぎをみせる中、対極的な価値観が併存し、何か1つのことだけが正しいというコンセンサスが得られなくなってきています。
     こうした世界を一変させたグローバル化は、「グローバル志向」すなわち世界をひとつの連続したものとらえるという「標準化」したものの見方と、「多文化志向」すなわち国や地域の特性を強調し重視する「多様化」という一見矛盾する両方を併せ持った構造を持っています。「標準化」と「多様化」のような関係に近いのが、グローバルとローカルという2つの世界であり、これをあらわす『グローカル』という造語があります。いかにして、この2つの世界を両立させ,融合していくのかが現代の課題であると言えるのでしょう。
     本学は国際大学としてのグローバルな視点と、三木市をはじめとする地域コミュニティの課題を共に考え解決を目指すというローカルな視点という2つの眼差しを併せ持った大学であることを目指してきました。「標準化」と「多様化」は、身体に例えれば足と手の働きかもしれません。
     それでは、皆さんはどのようにして価値観の多様化した,将来予測の難しいこの現在の社会で生きていく力を本学で身につけていくのでしょうか。
     
    本学での学びの特徴は3点にまとめられます。1つめは、『学びの目標』、2つめは『学びの内容』、3つめは『学びの確認』です。


     本学の第1の特徴は『学びの目標』です。皆さんの中には、看護専門職、教員、カウンセラーなど具体的な専門的職業という明確な目標を決めている人もいれば、これから決めていく人もいるでしょう。本学の建学の精神は「以愛為園」です。「他者を受け入れ、他者を思いやり、それを実際に行動に表すことができる,愛情豊かな人間の育成を目指す」ということです。この精神を関西国際大学が発足するときに「自律できる人間であろう」「社会に貢献できる人間であろう」「心豊かな世界市民であろう」という3つの教育目標に置き換えました。学生の皆さんには、KUIS学修ベンチマークとして、自律性、社会的貢献性、多様性を受けいれる国際理解、問題発見・解決能力、コミュニケーション能力という5つの能力を、4年間の到達目標の形で示しています。社会に出てから必ず必要な能力を全学の目標として定め、学部・学科ごとの専門性をいかした教育をめざしています。
    この後、皆さんと歌う本学の学歌の歌詞の中には、繰り返し「心の地図から境界線が消えてなくなる」というフレーズが出てきます。これが多様性を理解するということであり、グローバル化のひとつの本質です。良い歌詞だと思いませんか。一日も早く覚えていただければと思います。
     私の尊敬する、アメリカの公民権運動指導者でノーベル平和賞を受賞した故マーチン・ルーサー・キング・Jr.牧師は、『Life’s most persistent and urgent question is: What are you doing for others?「人生で最も永続的でしかも緊急の問いかけは、他人のために、いまあなたは何をしているか?」である』と述べています。社会的貢献性というのは、他人のためである前に、皆さん自身の存在への問いかけではないでしょうか。


     本学の第2の特徴は『教育の内容』です。教育内容は学部・学科によって違いはあります。国家資格・免許に基づく目的養成の看護学科や教育福祉学科もあれば、人間心理、経営、英語教育のように多様な方向性を含んだ学科もあります。そうした中で、今年より全学共通教育の責任部門として,グローバル教育推進機構を設置しました。皆さんにグローバルな力をつけてもらう教育をつくり出す先生たちのユニットです。
     今年から,皆さんの所属学科を問わず,専門教育と全学共通教育を通じて、学年・学期毎の学びの「主題」というものを設定します。皆さんが1年春学期に取り組むテーマは「多様性理解」で、秋学期は「論理的思考」,2年生になると春学期に「安全」、秋学期には「安心」,3年春には「持続可能性」というように、科目の専門性を通じてこうした主題について考えてもらう。いわば関西国際大学で学ぶ“生きた教養”を自然に身につけてもらうというようにイメージしてもらえればと思います。本学の教育方法の特徴を一言で言えば「世界で学び、社会に活かす」ということです。「グローバルな地理学上の世界」「看護、教員、カウンセラーなどの専門職の世界」「日常生活を送る地域社会という生活世界」の3つの世界で学び、自分のためだけでなく、周囲の人、さらには皆さんが接する社会のために活かす。教室内では、アクティブラーニングといわれる、受け身で授業を聴くだけではなく学生自身が能動的に学びに参加する教育を進めています。教室外では、看護学科を除く学科で、4年間に一度は海外プログラムに参加してもらうグローバルスタディがあり、自ら行き先、期間、内容を選参加する海外での経験学習の機会が、すべての学生に開かれています。また、大学と行政や地域の皆さんと協働して、地域が直面する課題に取り組む“コミュニティ参加プログラム”を三木市などと協力して開発しています。現場での経験から学び、その成果を教室に持ち帰り、次の学びに活かす。その成果が再び現場で活かされる。これこそが「世界で学び、社会に活かす」という本学の教育の特徴です。体験は誰でもできますが、体験したことを忘れ去ったり、単なる思い出としたりするのではなく、感じたこと、学んだことを振り返り、次の学びや生き方に活かしていってこそ『経験知』になるのです。
    私も人間学という授業を担当していますが,授業以外でも皆さんと体験を共にしたいと思っています。5月16日に神戸市内の隠れた魅力を案内する『神戸ウォーカー』という行事があります。また三木市のご支援も受けての『三木ウォーカー』、尼崎でも『尼崎ウォーカー』といった、地域を自分の足で歩き、その特徴を実感してもらう機会もあります。
     
     本学の第3の特徴は『学びの確認』ということです。本学では学期当初に目標を立ててもらいますが、学期末に成績表をもらい一喜一憂するだけでなく、ポートフォリオに自らの目標と成長の記録を残し、何ができて何ができなかったのかを自分自身で振り返ってもらうというリフレクション・ディという日を学期末につくっています。成績評価にあたっては、ルーブリックと呼ばれる、評価の観点と基準を記載した評価尺度を学生諸君に示し、何ができれば評価されるのかをはっきりと示す取り組みを全国の大学に先駆けて導入しています。何ができるようになったのか、何が次の課題なのかを自分で確認することができます。
     
     このように、本学には皆さんの成長を助ける仕組みが数多くあります。また、本学は『学生が成長できる大学』であるとともに、大学自身が『学生とともに成長する大学』をめざしています。皆さんにとっての成長とは何であるのか。皆さんのこれからの60年70年の人生を、受身的にただ過ごしていくのではなく、自らが身につけた力を拠り所に、自ら能動的に選択できるようにするということです。言い換えれば、「私を生きる」力を身につけていくということです。キング牧師の言葉を借りれば、「私たちは、限りある失望を受け入れなければならない。しかし無限なる希望を失ってはならない(We must accept finite disappointment, but never lose infinite hope)」。この言葉は、「本当の人間の価値は、すべてがうまくいって満足している時ではなく、試練に立ち向かい困難と闘っているときにわかる」ものであると励まし、「今のあなたの思考と行動が、未来のあなたをつくる」のだと励ましています。自分で限界や壁を作ってしまったり諦めたりせず、未来に向けて自分で主体的に考え、行動する人間となってください。それが自らの人生を自らの足で歩むということ、「私を生きる」ということです。


     皆さん、共に成長していこうではありませんか。
     改めて、ご入学おめでとうございます。


    2015年4月2日
    学長 濱名 篤

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