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    【学長室】2015年度秋 入学式 学長式辞

    学長式辞


     皆さんご入学おめでとうございます。関西国際大学を代表して皆さんを心から歓迎します。ようこそ関西国際大学へ。本日は本学の創立記念日でもあり、この後、式典も行われますので、皆さんにも参加していただければ大変嬉しく思います。

     さて、日本を留学先として選んでいただき、そして関西国際大学に来ていただいたことは、大変喜ばしくそして誇らしく思います。世界の情勢を考えてみますと、非常に不安定な時代を迎えているように思います。様々な所で大きな災害や戦争が起こり、世界中あちらこちらで多くの被害を受けた人たちがいます。現在、全世界で現在難民の数が5千万人に達し、人類の100人に1人に家がない、あるいは安定して生活する場所を求めて他の国に頼っているという非常に不安定な状況です。
    皆さんもよくご承知のように、シリアからヨーロッパに多くの難民が向かおうとしています。残念ながら我が国日本は、こうした問題に対しては決して前向きではありません。

     今朝の新聞によれば、大学生世代に限定して難民の受け入れの検討を始めたということで、世界の国々と比べて、世界の平和の為、そして人類の安定した生活の為に日本が大きな貢献をしているとは、残念ながら言えない状況で皆さんのお迎えをしています。もちろん皆さんは難民ではありません。むしろそれぞれの国を代表して、大学を代表して新しい可能性を求めて日本に来られたわけです。

     日本の持っている強みというのはいったい何なのか。我々自身がすべて答えを持っているわけではありません。皆さん一人一人の中で日本に何を求めてこられたかというのは同じではないと思います。

     科学技術の発達であるとか経済力であるとか、そうしたことが一番注目された時代もありましたが、現在の日本は皆さんの母国から、急速に増加する多くの訪日客を受け入れているという状態です。昨年600万人台だった外国からの日本訪問客が、今年は1,300万人ペースであると言われています。急増しているわけです。これは、ビザ等々の関係で皆さんの母国から日本に来やすくなったことであるとか、円が安くなったことなどもありますが、日本を訪れる目的は様々だろうと思います。皆さんも耳にしたことがあるかもしれませんが、「爆買い」という言葉を知っていますか。中国から来られた方が日本で山ほど買い物をして帰ることです。さらに日本食ブームです。東南アジアを含めて日本食というのは非常に健康志向ということもあって、日本に来ておいしいものを食べようという風に来られる人たちも多くいます。


     しかしながら、皆さんはそうしたレベルで留まることはないと思いたい。グローバル化が進んでいくと国と国の国境がなくなるといわれてきていますが、現実には世界の国々がみんな手を取り合って仲良くしているというわけではありません。現実には、それとはまったく異なる光景が今世界中にみられます。

     例えばEU難民問題一つをとっても、東ヨーロッパ、中部ヨーロッパ諸国では、難民の受け入れに対して非常に消極的である。国境を閉鎖したり、フェンスを作って困っている人々を受け入れようとしない。

     他方、第二次世界大戦の敗戦国であったドイツは、かつてナチスが行った残虐行為に対する戒めとして助けを求めてくる難民を受け入れるという政策を取り、逆に今度は大勢の難民がドイツを目指してくるということで大変困っている。助けを求める人たちも、ドイツへ行けば住まいも、食事も、仕事も提供してもらえると信じている状況です。無論、実際にはすべての問題が解決するということはありえません。

     世界中どこの国へ行っても労働力が不足している国はほとんどありません。皆さん自身も母国へ戻った時に無条件で仕事を選べるという状態には、必ずしもないはずです。
     この国で学んだこと、関西国際大学で学んだことを持ち帰って自らの人生を能動的に切り開く力を皆さんは2年間、あるいは交換留学での1年間の中で培っていかなければいけなりません。
     多様性というのは非常に難しいです。これまで皆さんの先輩として本学で学んだ人たちは日本の豊かさ、とりわけ日本の食事について感じるところが多かったように思います。日本の食事はおいしいといって帰って行きましたが、そういう違いに気が付くというだけでは皆さんにとっては不十分なのです。日本人と自分の日常生活の違いに気づくというだけでは観光客となんら違いはありません。
     おそらく皆さんは自分たちの常識が日本では全然通用しない、あるいは皆さんが思っていた通りのキャンパスライフが必ずしも送れないという難しさに、間違いなく直面すると思います。その時に皆さん自身がどういう態度を取っていくかが重要です。

     この後皆さんと一緒に学歌を歌いますが、この学歌の中にはたくさんのメッセージが入っています。『心の地図から境界線が消えてなくなる』というフレーズが繰り返しでてきます。これが目標です。国境の違い、国籍の違い、文化の違いということで自らの心に境界線を作ってしまい、今ヨーロッパで起こっているように自らの国を守るために困っている人たちを拒絶することのない人に、皆さんはなっていってほしいと思います。
     そのためにどうすればいいのか。『数えきれない人々と言葉を交わし思いを伝える』、まずこれが基本になります。自分たちの間にある境界線というのはお互いを知らないということです。あるいは自分たちがこれまで学んできた知識でカバーしきれていない「違い」があるということです。こうしたことを皆さん自身が乗り越え、その違いはどこから起こっているのか、そしてどのようにすればその違いを縮めていくことができるのか、相互に理解することができるのか―そうしたことを是非皆さんにはこの2年間あるいは1年間で考えていってほしいと思います。

     関西国際大学は、保健医療学部を除く学生全員に必ず1度はグローバルスタディという海外プログラムに参加することを義務付けています。皆さんの母国、あるいは皆さんの出身大学に行く学生たちも少なくありません。皆さん自身が心を開いて相手とのコミュニケーションを取っていただければ、皆さんに質問してくる日本人学生もたくさんいるかもしれません。日本人から先に始めるのか皆さん自身が最初に始めるのか。皆さんの中に答えがあります。
     ただ待っている、受身的に1年間・2年間を過ごすのか、あるいは自ら能動的に自分自身がまず国境を越えていこうという意思を持つのか。それは皆さんのこの期間の充実度を大きく左右する原動力になります。是非皆さんには能動的に、自ら進んでキャンパスライフを送っていただきたいと思います。

     日本についての知識が通り一遍のものではなく、日本人の価値観、日本の若者達の感じ方ということを自分のものとすることができる学生生活を送っていただくことを心から願う次第です。
     どうか皆さん今日の日を忘れずに、卒業あるいは帰国する日まで充実したキャンパスライフを送られることを心から祈念いたしまして私の式辞といたします。


                                                      2015年9月25日
                                                       学長 濱名 篤

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