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    【学長室】2013年度秋 入学式 学長式辞

     3年次編入生の皆さん、おめでとうございます。また、交換留学生の皆さんおめでとうございます。大学を代表して心より歓迎いたします。編入学生の皆さんは、母国の大学に籍を置いたまま来られましたので、この2年間で2つの学位を目指すということになります。それは大変大きな責任と負担がかかってくることですが、せび頑張っていただきたいと思います。

     これから皆さんは、これまでの経験とは異なる世界に1年、もしくは2年身を置かれるわけですが、その間様々な新しい経験があると思います。例えば、この式自体にも皆さんにとって経験の無い習慣が含まれていたと思います。日本では式典、あるいは目上の方へ挨拶をするとき必ず頭を下げます。頭の下げ方も相手との上下関係によって頭を下げる角度が違います。非常に身分の高い人にお辞儀をするときは角度が大きくなり、自分と同等の人だと軽い会釈をするといったように、日本人は使い分けていると言われています。これは、我々日本人にとっては当たり前のことですが、皆さんにとってみれば、挨拶をする時に頭を下げるということ自体、新しい文化的背景を感じる瞬間かもしれません。

     皆さんは、2020年のオリンピックが日本で開催されるということが決まった直後に来られました。また、日本でのもう一つの大きな話題として、2027年にリニア新幹線が東京から名古屋まで開通するということが発表されました。日本は、1964年に東京オリンピックが開催されてから約半世紀が経ちましたが、新たな経済発展、あるいは社会基盤の充実が期待され、日本の社会にとっては長年の景気の停滞から脱却する時期にさしかかっていると思います。他方、皆さんが日本にいる間では、消費税が5%から8%に上がることはほぼ確実であり、皆さんにとっては不自由な部分があるかもしれません。しかし、こうした税金によって日本の人たちの消費行動がどう変わるのかを見ていただく機会となるかもしれません。

     ところで、関西国際大学はこのように多くの留学生を受け入れている大学です。名前に“国際大学”とついていることもあって多くの留学生を積極的に受け入れています。この大学は、皆さんの存在が他の日本人の学生にとって多様な文化や価値観を知ってもらう一つの大きな資源と考えています。それと同時に、皆さんにとっても、自分たちとは異質な文化、価値観に触れていただき、両者にとってプラスになると考えています。

     この大学は、歴史が決して長い大学ではありません。しかしながら、この大学に皆さんが来られた以上、ぜひ皆さんにお願いをしたいのは、この大学の良いところを見つけて早く好きになってほしいということです。皆さん自身が母国で経験してきた大学や、自分のこれまでの経験と物事を比較するのは当然です。皆さんがこの関西国際大学に来られた以上、良いところをどう発見していくか、そしてそれを自分の経験の中にどう取り込んでいくかが重要な役割であると考えてよいと思います。その役割を果たすことによって、皆さんの1年間、あるいは2年間がより豊かなものに変わっていきます。自分が否定的な気持ちだけを持っていると、人の良いところ、物の良いところはなかなか見つからない。残念ながら国際関係の中で、日本は他の国々との葛藤に直面することもあります。

     関西国際大学では、KUIS学修ベンチマークという到達目標を示しています。交換留学生の皆さんは1年ですので達成は難しいですが、編入学で来られた皆さんは、この2年間でベンチマークを達成することが要求されます。ベンチマークは、関西国際大学で学んだ人にとって共通して学部学科を問わず必要とされる力をあげています。

     1つ目は「自律できる人間になる」、つまり、自分のことをコントロールし、規範に従い生活することができる。2つ目は「社会に貢献できる人間になる」、これは自分のことだけを考えるのではなく、他者、社会の為に何ができるかをしっかりと身に着けていただくということです。3つ目は「心豊かな世界市民になる」、これは自分とは異なる価値観や文化の多様性を認め合いながら生活をしていくことができる力です。4つ目は「問題解決能力」、答えは必ずあるというわけではありません。これまでの学修生活の中では、答えを見つけて暗記して再現できれば良い点数が取れたかもしれません。ところが、このような力は現在のグローバル社会の中では評価されません。問題は何か。先程、この大学を好きになってくださいと言いました。しかし、この大学の中でもっと改善した方が良いところを見つけたとしたら、それに対して具体的に自らがどうすればいいかということを提案してください。これが問題解決能力です。問題解決とは一人でできるとは限りません。様々な人たちとアイデアを出しながら、自分と異なるものとの出会いの中で答えを発見していくということです。
     5つ目は「コミュニケーション能力」です。これは皆さんにとって最も必要且つ基本となる力です。皆さんにとっては限られた時間の中で、異なる言語・文化・習慣の人たちとコミュニケーションをしていかなければいけません。その為には、人の話を聞く、話す、書くという力が求められます。日本で就職を希望する人にとってみれば、日本という社会の就職活動の中で、最も評価されるのは面接試験です。これは日本の常識であっても世界の常識ではありません。日本社会の中では、面接によって人の採否が決まっていきます。筆記試験、大学の成績、あるいはインターンシップの結果ではなく、面接の中で自らが学んだことを表現していかなければならない社会であります。そうした社会の中で、皆さんが活躍していく為には、自らのコミュニケーション能力を高めていくしかないのです。

     これら5つの力をばらばらに持つのではなく、総合的に使えるようになってほしい、ということが私から皆さんにお願いすることです。これから日本の社会がどのような進路に進んでいくのか、皆さんの母国とどのような関係を築いていくのか、現段階では5年後、10年後の姿はわかりません。しかし、日本での経験、日本での学び、関西国際大学で修得した力が、皆さんの人生をより良きものにしていく為には、こうした5つの力を総合的に活用していただきたいと思います。

     この後、本学の学歌を歌います。その歌詞の中に、“心の地図から境界線がなくなる”という言葉が何度も出てきます。境界線は地図の上にはあります。日本は、陸地の上で国境を接している国はありません。全て海を挟んで、曖昧な中で、目に見えないところで境界を持っているが為に、この境界線というものをあまり自覚していません。皆さんの方が、国境紛争であるとか、具体的に自分たちと異なる人々と対立する光景をよくご存知かもしれません。そうした中で、人間の心の中には地図があるかもしれませんが、その中でこの境界線を一歩超えると敵であるとか味方であるということではなく、このグローバルな社会の中で、他に対する拒否的な気持ちではなく、相互に学び合うような生き方をこのキャンパスで作り上げていっていただきたいと思います。

     本学の学内には、他の大学にはない設備が整っています。自由にグループ学習ができるラーニングコモンズがあり、図書館の設備も整っています。自らが学びの計画をたて、その為に能動的に学ぼうとするとき、その学びを助ける資源、サポート体制が整っていると信じています。この大学が皆さんの成長を作り上げる場となることを念願してやみません。どうか、1年、あるいは2年間、自律的なグローバル社会の世界市民として成長されることを祈っております。
     本日はおめでとうございました。


    2013年9月24日
    学長 濱名 篤

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