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    【学長室】2013年度秋 学位記授与式 学長式辞(1)

     卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
     今日から皆さんは世界共通の学位を有する学部を卒業し、高等教育を修めたものと認められるわけです。そして皆さんが今着ているアカデミックガウンの帽子のふさの色は、皆さんの学位と関わりのある色となっております。学位のもとにおいては皆平等かつ公平な立場であると象徴するものであります。そして帽子のふさを、左から右に動かすということで、学位を持つものとして社会に出ていくひとつのスタートを象徴する営みであります。留学生の皆さんにおいては、9月に入学されこの時期に卒業されるわけですし、若干卒業までに時間がかかった人も本日卒業されます。

     皆さんにとって大学生活はいかがだったでしょうか。1年生から入学した人にとっては、在籍中には大変大きな出来事がたくさんありました。何より一番大きな出来事は、東日本大震災でした。そして編入学で入学された留学生にとっては、東日本大震災の傷が癒えていない日本にこられ、今日の日を迎えられたわけです。今日は東日本大震災から2年半が経過した日です。この間、皆さんにとってみれば日々の学修の中で様々な苦労、そして教室外でのクラブ活動、もしくはアルバイト等々の自らの生活の中で多くの経験を積んでこられたかと思います。

     もう一つの大きな出来事は、ちょうど数日前ですが、東京オリンピックが2020年に開催されると決定したことです。皆さんにとってみれば、これから7年後ということで楽しみが増えたことでしょう。私は1964年の東京オリンピックの時はまだ小学生でした。日本の経済発展が上向いていく時期に、発展の象徴としての東京オリンピックを経験しました。その頃整備されたものとして、首都高速道、名神高速道路、そして東海道新幹線、様々なインフラが整えられ、現在羽田空港と都心を結ぶモノレールもこの時期に整備されたものです。あれから今年で49年。そして7年後の2020年にオリンピックが開催されることになりました。

     私はこの度、オリンピック招致の最終プレゼンテーションを最初から最後まで見ておりました。これは多くの人たちにとって大きな関心事だったと思います。様々な形で前回の失敗から学ぶという、とても計算されたプレゼンテーションだったと思います。スポーツに造詣の深い皇室の高円宮妃殿下のスピーチから始まり、安倍晋三内閣総理大臣、パラリンピック代表の佐藤真海選手が東北の思いを伝えながらプレゼンテーションをされ、そして滝川クリステルさんがIOCの公用語であるフランス語を使ってスピーチを行いました。そしてさまざまな映像が散りばめられ評価の高いプレゼンテーションだったと思います。これは皆さんにとっては非常に良いお手本だったのではないかと思います。その中にはたくさんのメッセージが込められていました。当初、イスタンブールが有利だと言われていましたが、国内情勢、隣国のシリアの国際情勢が悪化し有力候補としては危なくなってきた、またマドリードは経済的な基盤が弱体であって有力候補ではない、そして東京が当選するのではないかと言われていました。しかし、最終プレゼンテーションの1週間前に福島原子力発電所の汚染水問題があり、本命がはっきりしない状況でこの最終プレゼンテーションの日を迎えたわけです。しかし、東日本大震災のことを含んだ佐藤選手のスピーチでは、“スポーツの力”の大きさを指摘するメッセージがありました。あるいは安倍総理大臣が、東京が安心・安全であること、そして汚染水問題についても国が責任を持って処理をするというクリア且つ力強いスピーチがありました。また“おもてなし”という言葉を使い、日本の中にある良さを、食べ物、街並みといった様々な特徴を表し表現していました。おそらく4年前のロビー活動の失敗、あるいはプレゼンテーションの失敗から学んでの成果であったと思います。評価されることは、伝えたいメッセージが明確であったことです。また、無い夢を語る、バラ色の夢を語るのではなく、自分たちの経験の中にある財産、そして経験からどういうことを学んだかということを資源としてアピールをしていました。当然のことながら、助言者の力も結集しての結果であったのですが、これは見事なスピーチであったと思います。

     これから皆さんが進んでいかれる社会の中では、決してバラ色の夢ばかりではない。他の人と競い合いながら一つしかないポストを争わなければならないこともあります。また、他の人と比べて自分のどこが優れているのかということを明確に示さなければならないこともあります。その意味で今回のオリンピック招致のスピーチは非常に参考になるものでした。その中で繰り広げられた戦略は、まず自らを観察するところから始まっていたと思います。自分たちの強みは何か、自分だけが経験したことは何なのかということを明確に見定める。自分を知る、自分の良さと、自分ならではの経験が一体何であったのかということを知るというところからスタートしています。そして、無いものを持ってくるということではなく、経験と自分の潜在的な資源をどのようにこの後7年、10年という視野で改善し、より大きくしていくのかということを、このプレゼンテーションから学べるのではないかと思います。

     西欧のことわざに「運は前髪でつかめ」という言葉があります。日本人というのは非常に慎重です。今回のオリンピック招致の話に限ったことではなく、例えば日本の食品衛生に関する基準は世界で最も厳しいというのは安倍総理大臣のスピーチにも出てきたと思います。日本は、とにかく安心・安全に限ったことではなく、全てのことにおいてより完全に、より完璧を目指し、場合によっては出遅れてしまい後ろ髪を引かれるような思いがたくさんあります。西欧では、逆に表面から見ればピンチに見えるような状況の中にすでにチャンスは来ている、だから「前髪をつかめ」ということです。この言葉は何を意味するのか。皆さんにとってこれから歩んでいく人生の中で、いつどのようにして自らが決断していくのかということと、その決断ができるような準備を整えていくのかということについて大きなインプリケーションを含んでいると思います。


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