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    【学長室】2016年度 学位記授与式 学長式辞



     29名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
     本日、皆さんはアカデミックガウン着て学士号を授与されました。今着ておられるアカデミックガウンは真理の前での平等を象徴するもので、貧富の差や属性の違いと関係なく、同じ学位を授けられるものが同じ色のガウンを着るという意味があります。この帽子のタッセルを右から左に移すことによって、「卒業生」になったというシンボリックな意味があります。


     皆さんは秋卒業ですが、色々な苦労を経験し、挫折を乗り越えての卒業だったのではないでしょうか。我々人間は他の人たちと同じであることで安心感を得ることがあります。ところがこうした安心が本当の安心なのかというと大きな疑問が残ります。本日は9月13日であり、アメリカ同時多発テロから15年と2日経過しました。この15年間は人類にとって大きな変化があった15年であったと思います。考えてみれば15年前、我々の多くは、人間は安全に暮らすのが当たり前で、生命の危機に陥ることがあるかもしれないことなど、深刻な問題として考えてこなかったのではないでしょうか。我々が住む兵庫県は阪神・淡路大震災を経験し、天災に対する戒めや、生活や生命の安全が当たり前ではないことを実感していたわけですが、それでもなお、突発的に起こる大きな災害を自分の命を失わせるものとしてどれだけ身近に感じていたでしょうか。15年前に起きたテロは、自分の命とひきかえに、より多くの人の命を奪うというものでした。人間にとって最も基本的な規範の一つが守られなくなるということの始まりであったと思います。今日の日本、そして世界の状況をみると、自然災害、テロ、殺人、暴力事件など、人間の生命の“尊厳”、“貴重さ”が当たり前のものと言えない状況となってしまいました。これは非常に悲しく、残念なことです。しかし、15年前の“きっかけ”から学ばなければならないことが多くあります。“きっかけ”は何だったのでしょうか。宗教・宗派の対立、異なる価値観を持つものが割って入ったことに対しての反発だったのかもしれません。人種、民族、宗教、価値観などの「違い」に対して十分な相互理解が得られなかったために、人間にとって最も基本的な規範を順守しない社会がスタートしてしまったのだと思います。


     皆さんに関西国際大学で身に付けてほしいと思ったこと、それはベンチマークの5つの項目の中にあります。「自律性」「多様性理解」「社会的貢献性」、そして「コミュニケーション能力」「問題解決能力」です。私が皆さんに特に忘れてほしくないことは先に述べた3つです。自らの行動に責任をもち、自らが決めた規範を順守していく気持ち、そして多様性理解、社会的貢献性をぜひ忘れないでください。


     人間というのは、慢性的に自分の生活の中にあるものを当たり前だと思ってしまいます。ひとつは空気、そして水です。日本では水道の蛇口を開けば普通に水を飲むことができます。留学生の皆さんの中には、母国との違いを感じた人もいるかもしれません。2016年現在、世界の中で水道の蛇口から出てくる水を安全安心に飲める国はどれぐらいあるでしょうか。皆さんわかりますか?答えは14ヶ国です。アジアでは2ヶ国しかありません。それは日本とアラブ首長国連邦(UAE)です。近年、日本では、自治体が水道の水をペットボトルに詰めて販売するようになりました。調査では、水道の水を美味しいと感じる人が増えているそうです。そしてその水質の証拠として販売をはじめたのです。ペットボトルの水が普及するようになったもう一つの理由は、先程も述べた阪神・淡路大震災がきっかけです。蛇口を開けば水がでる、という常識が守られなくなったことをより多くの人が経験した結果として、ペットボトルの水を飲むようになったということです。わずか20年の間に我々の生活習慣も大きく変わりました。
     大学での学びも、この先20年、30年、40年、その知識と経験だけでやっていけるということはありません。皆さんのライフスタイルも変わっていくでしょう。その中で皆さん自身が新しい変化に流されるだけでなく、最も大切なものは何なのか、人間にとって守るべき価値観は何か、安全に暮らしそれを保障していく為には何を守っていかなければならないかを考える必要があります。自分と異なるものを受け入れ、自分たちが決めたルールを順守し、他者の痛みに寄り添うことができるか、こうしたことが、どのように技術が進歩し、どのように環境が変化したとしても皆さんを守り、そして皆さんが新しい変化を乗り越えることに繋がると私は信じています。


     皆さんが関西国際大学で経験された苦労は、これからの人生にとってみればほんの小さなスタートでしかないかもしれません。本学で学んだこと、自らが経験したこと、努力して乗り越えてきたことを忘れずに、大学で得たものの考え方、知識を大切にしながら、長い人生を乗り越えていっていただきたいと思います。


     どうか皆さん、この大学にまた戻ってきてください。それは、学びに戻ってくるのか、自らの経験を後輩たちや私たちに伝えにきてくれるのかわかりませんが、皆さんと私たちとの縁は切れるわけではありません。皆さんが飛躍された姿をぜひみせていただきたいと思います。

     ご卒業おめでとうございます。



    2016年9月13日
    学長 濱名 篤

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