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【学長室】東日本大震災から6年にあたって

 未曽有の大災害として我が国の歴史と国民の記憶に刻み込まれた東日本大震災から、早くも6年という年月が過ぎました。


 この間、被災地域の復興は、部分的に進んだものと遅々として進まぬものに分かれているように見えますが、ご家族やご友人を亡くされた皆様、家屋や職場を無くされた皆様、心身に傷を負われた皆様の苦しみは依然として大きく、多くの皆様が、家族がともに暮らし、自分の仕事をするといった当たり前と思えることすらかなわず、今日でもなお、仮設住宅での暮らしを余儀なくされる等、厳しい生活を送っておられます。

 

 このような状況で、私たちは何を記憶に留め、何を学んでいくことが重要なのでしょうか。


 本学と提携する海外の大学関係者と話をすると、阪神・淡路や東日本のような大災害に直面した際、暴動が起こらず、悲しみの中でも人々が寄り添い、助け合い、思いやりをもって“支え合う”日本人の姿への賞賛と、そこから築き上げてきた“安全・安心”のための備えのシステムづくりへの高い関心を表明されることが多くあります。


 生命の安全が保証され、安心して生活が送れることの価値は、危機や異変が「まだ起きていない」日常生活では、気づきにくく忘れられやすいものなのかもしれません。
 私たちは、こうした“当たり前”と思いがちなことの価値を再認識し、その状態を維持するという責任を果たしていかなければなりません。


 本学においても、“安全・安心”な社会の実現をめざす教育を通して、ひとりひとりが、この大震災から得た教訓を忘れることなく、人と人との繋がりを大切にした社会づくりに取り組んでいく責任があるということを、確認したいと思います。


 本学の建学の精神である「以愛為園」とは、人に対する思いやりや人を受け容れる姿勢を持つこと、言い換えれば、他人の痛みや喜びに対する感性とそれを自ら行動に移す精神を持った共同体をつくろうということでもあります。
 こうした取り組みから得る経験とふり返りを通して、大震災で亡くなられた方々、被害に遭われた方々を忘れず、安全・安心なこれからの社会と環境をつくりあげていかなければならないという決意を新たにしたいと思います。


 また、阪神・淡路大震災を22年前に経験した被災県にある本学は、その痛みを理解し、自ら被災地の皆さまに対し、できうる限りの祈りと復興への支援を捧げていきたいと思います。

 

 最後に、改めて東日本大震災で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈りいたします。


   2017年3月11日

関西国際大学 

学長 濱名 篤


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