教員紹介(保健医療学部 看護学科)

教授

松原 まなみ (Manami Matsubara)

所属
保健医療学部 看護学科
専門

学 部:母性看護学、助産学、高度看護実践

大学院:母乳育児支援、乳児の吸啜メカニズムと口腔発達、医療的ケア児の養育と家族支援

主な担当科目(学部)

母性健康看護学概論、母性看護援助論、母性看護学実習、統合看護学実習(母性看護)、看護研究

主な研究テーマ

早産児の口腔機能発達支援(文部科学省科学研究費 基盤研究(C)2021-2024)

主な著作等
松原まなみ 編著、現場が変わる:チームで支える母性看護CNSの実践、医学書院、2021(電子書籍)

Q1.現在の研究テーマ(または専門分野)とその専門分野を志した理由・きっかけを教えてください。

母乳育児支援全般、中でも乳児の吸啜メカニズム研究に取り組んできました。その成果を基に母乳育児を支える人工乳首の開発や、哺乳に困難を抱える障害児用哺乳瓶の開発など、産学共同研究をしています。


きっかけは助産学生の時、母親は母乳育児を希望しているのに、直接授乳できない母子を受け持ったことでした。出産時の支援も大切ですが、その後の母乳育児支援が出来なければ助産師としては不十分と痛感。以来、40年近く母乳育児支援をライフワークに実践研究を続けています。

Q2.プロフィール

自分の将来像に「看護」の文字はなかったのですが、大学受験直前に母が入院。進路変更を迫られ、看護短大に進学しました。入学してみると、人の人生に関わる学習はとてもおもしろく、のめり込んでしまいました。その後、短期大学の助産専攻科に進学し、大阪の病院に就職。臨床現場の中で力不足を感じて看護大学への編入を決意、そのまま大学院修士課程に進学しました。


修了後、看護教育に携わりましたが、子育てを機に退職。子育てをしながら母乳育児相談所(助産院)を開業しました。赤ちゃんの吸啜は母乳分泌の発動機。吸啜機能の研究をするために歯学部の門を叩きました。人間にとって食べることはとても重要です。口腔機能発達の始まりである吸啜機能の発達について、超・極低出生体重児(1500g未満で生まれた未熟児)を対象に研究し、学位を取得しました。

Q3.看護師の仕事をしてよかったと思ったことは何ですか?

青年期の発達課題は「自己実現」です。自己を知ること、社会の中で生きていくことなど、人生の深い問いかけに看護が答えを導いてくれると感じています。


看護は専門職ですから、生涯が学びの過程・・・終わりがありません。その感動と厳しさを伝え、学びの過程を共にできる看護教育の場に身を置くことができた事も幸せなことだったと思っています。

Q4.看護師の仕事をして辛かったことは何ですか?

妊娠・出産にかかわる助産師の仕事は明るいイメージが強いと思いますが、二つのいのちの生死を分ける厳しい現場でもありました。大出血による母体死亡、合併症を持つお母さん、障害児の出産に揺らぐ家族など、難しい場面に直面した時、看護者としての力不足、何もできない自分を感じ、情けない思いをしました。しっかりと人を支えることのできる看護者になりたいーその思いが自己研鑽、キャリアアップの原動力になっています。

Q5.高校生へのメッセージ

あなたの夢は何ですか?夢は青年期をよりよく生きるためのエネルギーの源です。

夢を実現するために希望に胸膨らませている人も、夢が持てないと感じている人も、自分を見つめる時間(とき)が現在(いま)。自分のやりたい道、なりたい自分に向かって、様々な出遭いと自分探しの道のりを、悩みながら、楽しみながら歩んでください。そんな学生生活を応援するのが、私たちの役割だと思っています。希望膨らむ学生生活を応援しています。

Q6.講演・取材など協力可能なテーマ

母乳育児支援や家族看護は、好きな講演テーマです。
看護におけるモノづくりー産学共同研究として行ってきた哺乳具の開発や哺乳支援に関する話題には興味を持っていただけるかも・・・。