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    【社会学部】< コラム >感情の社会学入門

     

    【2021年9月17日】

    今このコラムを読んでいる人のなかには、「感情の社会学」というタイトルに驚いた人もいるでしょう。感情を扱う学問は心理学だろう、どうして社会学なんだ、心のなかに浮かんでくる感情と社会のあいだに、いったいどんな関係があるのか、と。

    こうした疑問はもっともに見えますが、しかし実は、一人一人の感情は社会と深い関係にあります。



    感情をめぐる暗黙のルール

    まずもって、社会のさまざまな場面に感情をめぐる暗黙のルールがあることがその証拠です。たとえば、お葬式では悲しい気持ちになるだけでなく、悲しい気持ちにならなければいけません。

    もし、お葬式で悲しい気持ちにならなければ、あなたはきっと、悲しさの湧いてこない自分に戸惑うはずです。また、自分が悲しさを感じていないことが周囲にバレてしまえば、薄情な人だと非難されてしまうでしょう。気持ちが湧いてこないのだから仕方ない、とはならないわけですね。



    感情とジェンダー

    それから、男性のなかには、子どものころに辛い思いをして泣いたときに、「男の子だから我慢しなさい」と言われた人もいるはずです。これは「男性は強くあるべきだ。だから弱さにつながる感情を表に出してはいけない」という暗黙のルールがあることを示しています。


    それとは反対に、女性は正であれ負であれ、感情を表現することが好意的に受け取られる傾向にあります。ですがその結果、会議の場面で「女性は感情的だから」と相手にされなかったり、共感や思いやりの求められる育児や介護を押しつけられがちだったりします。

    このように感情をめぐる暗黙のルールに注目すると、日本社会のジェンダー観の一端をうかがい知ることもできるわけです。



    感情をどう理解するか

    さらに、自分の感情をどのように理解するのかということさえ、社会的な基準に左右されます。たとえば、学校の先輩に対して抱く「恋心」と、テレビのなかの芸能人に抱く「憧れ」は、どちらも胸のトキメキを覚えるという点では似ているように思えます。では、この二つはどう違うのでしょうか?


    学生にこの質問すると、よく「付き合える可能性があるかないかだ」という答えが返ってきます。ですが、そうだとすれば、私たちは胸のトキメキを感じたときに、無意識のうちに「芸能人には会うことさえできない」という社会的な制約条件を考慮して、それを「憧れ」だと解釈したことになりますよね。


    したがって、私たちは自分の感情を理解するときでさえ、社会的な制約条件を無意識的に参照していることになります。



    ***



    このように、どのような感情を感じるべきか、どのように感情を表現すべきか、そして感情を何として理解すべきかなど、感情をめぐっても、実は社会に共有されたさまざまな暗黙のルールや社会的制約があります。


    「私の感情」という個人的なものと、「世の中の暗黙のルール」という社会的なもの。一見すると無関係な両者をつなぐ考え方こそが社会学のものの見方であり、社会学的想像力の核心なのです。



    社会学部 社会学科 真鍋 公希

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