【教育学部】<保育コラム>幼稚園はコロナの中、どうやって保育を進めているの?
【2020年7月17日】
現在のコロナ禍で、各幼稚園はどのような対応をし、どのような保育を行っているのでしょうか。
私が講師として参加している、尼崎市私立幼稚園連合会・研究部で話し合われた内容をご紹介します。
3月以降、コロナ禍の中で、先生方はすでにコロナウイルスに関する様々な取り組みを行っておられました。具体的には、まだ幼稚園に子どもたちが登園出来なかった時期に、Youtubeを使って子どもたちに向けた動画を作成し周知したり、お手紙を書いて送ったり、遊びの「贈り物」を送ったり、オンラインでお話したりなどの取り組みを行っておられました。
(具体的な取り組みは以下のURLを参照ください。尼崎市の園もたくさん紹介されています。)
https://www.mext.go.jp/content/20200512-mxt_youji-000005336_002.pdf
そして、登園が始まると、手の洗い方や友達との関わり方、距離の取り方などについて子どもたちと共に考え、子どもたち自身が考えて行動するということを行っておられました。保育で大切になるのがこの部分です。
どうしてもこういった感染症が起きた時には、安全面確保のために大人から子どもに伝え、それに従うという状況になりがちなのですが、そうではなく、子どもたち自身から「問い」が生まれ、子どもたち自身で困難な状況をどう乗り越えていくか、についてじっくり話し合うことをそれぞれの園では大切にされていました。
とても難しいことのように思えますが、子どもたちからは様々なアイデアが出てきます。
例えば、「どうすれば手からバイキンをいなくすることができるかな?」という先生からの「問い」に対して、「こういう風に洗ったらどうかな?」「こうしたらもっといいんじゃない?」というアイデアが出てきます。それを子どもたち同士で話し合った上で手洗いをすると、全員がその洗い方でしっかりと手を洗うようになったそうです。
ただ単に教えるだけなら簡単なのですが、子どもたち同士で話し合いをした後だと、自分の事として捉えることができ、さらに「考える力」も備わっていきます。
本当にすごいですよね。
このように様々な問題に対して、先生方は子どもたち自身が問題を乗り越えられるように、一緒に考え、話し合いながら保育を進めておられます。こうしたことが小学校へ行ったときやその後の人生において様々な問題に直面した時の、問題を解決できる力に繋がっていくと思いませんか?
その土台を作っているのが幼児教育なのです。
(教育学部 教育福祉学科 椋田 善之)