KUIS 関西国際大学
 『子どもの安全』と『子育て』を考えるフォーラムを開催
 

 3月24日(土)の10時から、本学4−201教室において、文部科学省の平成18年度現代GP採択プロジェクト「大学、住民及び行政等の協働と地域の活性化」の一環として、「『子どもの安全』と『子育て』を考えるフォーラム」を開催しました。

第1部 「子どもの安全を考える」

 午前中は「安心・安全なまちづくり」をテーマに「地域防犯に関するシンポジウム」が開かれました。司会は本学人間学部2年生の山本由香さんが務めました。

 まず最初に、本学人間学部の桐生正幸教授が、「子どもの防犯」をテーマに基調講演を行いました。その中で桐生教授は、地域の防犯活動について、「防犯活動だけを推進しようとしてもうまくいかない。最良の地域のあり方を考えることによって初めて地域の防犯活動が成り立つ」と述べました。また、防犯教育について、教育と防犯は矛盾していることに触れ、「人を信じることと人を疑うことの矛盾に真摯に対峙し、それを子どもに伝えるべきか悩むことが『防犯教育』の出発点である」と語りました。そして、大人のための「声かけルール」の提案を行い、「大人は、居住する地域の子どもの顔を覚え、進んで挨拶する」「居住以外の地域では、第三者の大人がいない場合は話しかけない」「子どもにはルールを守る大人には返答し、守らない大人からは逃げるように指導する」と説明しました。

 続いて、パネリストからの報告・発表と意見交換が行われました。

 三木市立自由が丘東小学校PTA会長の竹内良雄氏は、「自由が丘東小地区の安心で安全な街づくり」について発表しました。アメリカ・オハイオ州で開発された「CPAプログラム」の取り組みや、PTA,・自治会・老人会も関わった危険箇所マップの作成・配布などの活動を報告しました。

 熊本県警科学捜査研究所の田口真二氏は、「子どもを性犯罪から守る」をテーマに、性犯罪被害の実態や犯人の傾向などについて、犯罪者プロファイリングの視点から分析しました。

 社団法人日本防犯設備協会の須谷修治氏は、「安全なまちづくり事例紹介と地域主導型の防犯活動」を取り上げ、神戸市の北須磨団地や千葉県習志野市の秋津団地などで行われている地域住民による防犯活動を紹介しました。

 日本学術振興会特別研究員で名古屋大学大学院の小野寺理江氏は、「Fear of Crime 被害への不安は深刻な日常」と題し、犯罪不安のメカニズムと実際の犯罪発生との関係について報告しました。

 最後に本学の人間学部4年生の高橋美奈さんは、緑が丘小学校地区や自由が丘東小学校地区でのアンケートとフィールド調査の結果をまとめて、「三木市内における犯罪不安調査と被害実態」について発表しました。


第2部 「子育てを考える」

 午後からは講師に大阪府新任教員研修指導員の米谷美和子氏をお迎えして、「子育ては親育ち」という演題でお話いただきました。

 米谷さんは、幼稚園の教諭・園長として約40年間にわたり、子どもたちと関わってこられました。また、星野仙一・北京オリンピック日本代表監督の実のお姉さんでもあります。

 講演の中で米谷さんはご自身の体験談を織り交ぜながら、終始にこやかな表情で、絵本の「読み届け」の大切さ、「食育」の重要性、子どもの褒め方などについて話しました。また、子育てに活かしたい保育の「あ・い・う・え・お」を取り上げて、「・・遊びの喜び」「・・生きる喜び」「・・生み出す喜び」「・・絵本で学ぶ喜び」「・・音楽の素晴らしさを感じる喜び」について説明しました。

 父の顔を知らずに育ったという7歳下の弟の星野仙一氏について、「小さい頃は『泣き虫仙坊』と言われていた」という幼少時代のエピソードを交えながら、現在に至るまでの家族の絆について語りました。

 最後に米谷さんは、「『子育ては親育ち』だと感じる。私もたくさんの子どもとその親に育ててもらい感謝している」と話し、講演を締めくくりました。


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2007/3/26開設