2月1日(金)の「人間学T・U」の授業で、学外から2人の講師を招いて特別講義が行われました。「人間学T・U」は全学科の必修科目で、この日は2つの教室に分かれ、1年生を中心に約500名の学生が受講しました。
今回、特別講師としてお願いしたのは、朝日放送事業メディア局事業部兼社長室局次長プロデューサーの吉村誠氏と、映画監督の塩屋俊氏のお二人です。
 
どんな情報もそれを作っているのは「人間」であることを自覚しよう
プロデューサーの吉村氏には、『テレビは突っ込みを入れながら見よう!新聞は疑いながら読もう!〜情報化時代の生き方とメディアリテラシー』というテーマで講演していただきました。
はじめに、ご自身がプロデュースに関わったテレビ番組「新婚さんいらっしゃい」と、「恋のから騒ぎ」の映像を観せた上で、学生たちに「あなたがプロデューサーなら何を基準に出演者を選ぶか」問いかけました。その答えとして、「面白いエピソードを話すだけではダメで、普段生活をしている言葉(生活言語)で、自分のことを話せるかがポイント」とし、「一人ひとりが話す言葉はそれぞれの人生が詰まっており、コミュニケーションにとって大切なのは『生きている言葉』を使うこと」だと指摘しました。
また、世の中で報道されている「ニュース」は、「どんなにメディアが発達しても情報を送り出しているのは『人間』であること、そして人が人に伝える限り、それは『事実そのもの』ではなく、『人間によって加工された事実』であることを自覚しなければいけない」と力説しました。
 
演劇もコメディも文楽も、表現することは『愛情』を表現すること。関西の文化を世界に発信しよう!
映画監督、俳優、プロデューサーとして活躍するかたわら、東京と大阪で「アクターズクリニック」を主宰し、後進の育成にも力を注いでいる塩屋氏には、『メーキング・ア・フィルム・イン・関西』というテーマでお話しいただきました。
その中で塩屋氏は、現在公開中の映画『0(ゼロ)からの風』などの制作時のエピソードを披露し、「役者には、『演技をするのではなく本気でやれ』と言っている。演技をすることは自分を支えてくれる人々の愛情を確認することだ」と語り、「みなさんも自分たちを支えてくれる人がいるから自分がいることをしっかりと感じた取ったうえで、今後の人生設計をしてほしい」とアドバイスしました。
また、関西の文化について、「関西には粋でしなやかで味のある文化が息づいている。誇りを持って堂々と世界に発信していきたい」と語り、「それには、皆さんのような若くてエネルギーのある人間の力が必要になる。関西から共に大きな夢を描いていこう」と学生たちに呼びかけました。 |