基盤教育 概要

全学部・学科に共通する基盤教育は、幅広い人間形成を目指し「単なる知識の修得のみに終わらず、広く21世紀のアジア・太平洋を見すえ、 世界市民として活躍できる人間の育成」(「関西国際大学建学の精神」より)に必要な基本的学力と教養をはぐくむことを目的としています。その目的を実現するために、科目は大きく「KUISsベーシックス」「コモンベーシックス」「リベラルアーツ」という3つの科目群で編成しています。

基盤教育の全体像

基盤教育の科目は大きく3つに分類されます。

一つ目は大学での学びの基礎を修得する「KUISsベーシックス」であり、 学習技術や将来の進路を徐々に明確にとらえていくための科目などを通して4年間の大学生活の土台作りを行います。

二つ目は「コモンベーシックス」はコンピュータ技術、外国語を始めとした大学での学びの基礎習得を目的としています。

三つ目は人間の理解(人文科学)、社会と生活(社会科学)、科学と生活(自然 科学)の3つの領域の理解を深める「リベラルアーツ」です。

KUISsベーシックス

「KUISsベーシックス」は、大学での学びの基礎の習得を目的とし、次の下位領域で構成する科目群です。

  • 初年次教育
  • キャリア教育

なかでも本学では「初年次教育」に力を入れています。1年次はいわば大学での高度で自主的な学びの助走期間であり、具体的な勉強方法を学び、 さまざまな領域の知識に触れることにより、知力や好奇心を刺激するのです。具体的には、初年次教育研究開発センターが研究開発したプログラムを中心として、関係組織やアドバイザー、科目担当者が連携して各科目を開講しています。

例えば、1年次春学期に開講する 「学習技術」は、タイムマネジメントを初めとして聴く・読む・調べる・整理する・まとめる・書く・表現する・伝えるなど、大学での学修生活に最低限必要な技術を習得します。また同学期の 「初年次セミナー」では、大学卒業後の社会生活全般、とりわけキャリアプランについて多角的に考え、最終的には各自のキャリアプランを立てることを目指します。1年次秋学期開講の 「基礎演習」は、「学習技術」で修得したスキルを再確認するとともに、「初年次セミナー」で身につけた社会やキャリアに関する認識や理解を深め、2年次以降の専門教育への橋渡しとすることを目指します。

学ぶチカラを身につける! 学習技術
レポートのまとめ方や論文の書き方、情報の収集法など、大学での学習テクニックを学びます。また、 効果的に物事を伝えるプレゼンテーション能力を磨きます。
4年間の学ぶ方向性を考える! 初年次セミナー
自分の個性や適正、また働くことの意義やさまざまな職業について考えます。そのうえで将来の夢を描き、 その実現のために、4年間をどのように学ぶべきかを探ります。

コモンベーシックス

「コモンベーシックス」は、大学での学びの基礎の習得を目的とし、次の下位領域で構成する科目群です。

  • 外国語
  • 情報
  • 健康とスポーツ

言葉やコンピュータなどを通じてコミュニケーションを図る能力を身につける科目のことです。英語だけに限定せず、母国語である日本語そのものの表現力を豊かに育むことや、アジアの言語にも目を向けているのが特色です。さらに、そういった言語やツールを活用して、自分を表現し、伝えていく手法であるプレゼンテーションやディベートなどのトレーニングも行っています。

リベラルアーツ

リベラルアーツは、各学科で専門教育科目の学習に必要な基礎知識の習得を目的とし、次の下位領域で構成する科目群です。

  • 共通
  • 人間の理解
  • 社会と生活
  • 科学と生活

「共通」科目の中の「人間学Ⅰ・Ⅱ」は、リベラルアーツの基盤的性格を持つ科目であり、人文・社会・自然科学の様々な専門性を持つ教員が担当します。現代社会に生きる人間の特性と問題について学生が自ら考え、 人間を考える基本的な視点の涵養を目指します。

「人間学Ⅰ・Ⅱ」~自分の生き方を考える自立した職業人になるために~

科学とは、本来「人間」の生活をよりよくするために発達してきました。 本科目では、①環境 ②世界と日本 ③生命 ④平等・職業 ⑤学習 ⑥人生 の6つのさまざまな学問(科学)分野から「人間」に引き寄せてライフコースの長いスパンを見通して、自分の人生について主体的に考え、 生き抜いていくために必要な「考える手がかり」を提起していきます。本科目を通し、受講生が自分自身の人生観や世界観の確立にとって必要な知的刺激を受け、自分の生き方を考える自立した職業人になっていくことを期待しています。 なお、本学では学長がこのうちの一分野を担当し、一年生全員が講義をうけることになっています。

「共通」科目の中の「仕事とキャリア形成」は、1年次の初年次セミナーを土台としつつ、人間にとって社会とは何であり、またその社会に生きる上で仕事とは何であるか、という基本的問題を改めて考え深めることを目指します。

「人間の理解」は、個人としての人間と集団としての社会との関係性を理解するための視点を様々な分野から提供し、人間及び人間社会に対する理解の基礎を固めることを目指します。「倫理と社会生活」「教育と人間形成」「比較宗教論」などがあります。

「社会と生活」は、日本とその他の地域におけるそれぞれの文化的社会的独自性を理解するとともに、異文化を理解し世界と日本との関係性やあるべき姿を模索する視点の涵養を目指します。「日本文化論」「異文化間コミュニケーション論」「社会階層と文化」などがあります。