人間行動学研究科 臨床教育学専攻

教育研究上の目的 人間行動学研究科臨床教育学専攻は、複雑化する教育現場で活躍できる研究能力と実践力を持ち、多様化する児童生徒に関する理解と支援に関し、専門性と実践力を持った人材を養成するとともに、それを可能とする学術研究を行うことを目的とする。
教育目標

先に挙げた本学大学院において修得すべき能力に加え、本専攻では次の1・2のいずれかの能力及び専門知識の修得を目指す。

  1. 多様化する児童生徒に関する専門的理解と支援する方法
  2. 学校の組織運営や、地域や他の学校等との連携を行うことができるマネジメント力

臨床教育学専攻の特色

本専攻では、多様化する子どもに関する科学的理解と実践的研究を進め、教育現場をはじめとする社会においていっそう活躍できる人材の輩出をめざしています。授業は平日18時30分から90分の授業を2コマ開講しており、また、本専攻のある尼崎キャンパスは、JR尼崎駅から徒歩5分というアクセスにあるため、大変利便性のよい立地条件にあります。また、入学時から2年を超える履修計画を立てることができる長期履修制度の選択も可能ですので、現職の教員の方々も仕事を続けながら学ぶことができます。

特別支援教育コース

共生社会の形成を目ざすインクルーシブ教育システムの構築が目ざされている現在、特別支援教育の推進はますます重要な課題となっています。本コースでは、通常の学級や通級指導教室で学ぶLD(学習障害)、ADHD(注意欠如/多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム障害)の子どもたちの支援や、特別支援学級・特別支援学校での指導に高い専門性を有し、学校園の特別支援教育の中核となる人材の育成を目ざしています。 

幼児教育マネジメントコース

社会の変化に伴って一層多様化する教育保育ニーズに対応するためには、特別支援教育に関する専門性に加えて、少子化時代に対応しうる学校園経営、危機管理(災害や犯罪への対応)、ICT活用、外国籍の人を含む保護者対応など、より広範なニーズに応えうる人材が求められています。本コースでは、教育・保育現場におけるこれらの今日的課題に幅広く対応するための専門的知識・技能を有することに加えて、組織マネジメントの観点からも、学校園や地域での政策・計画立案、組織体制づくりを実践できる人材の育成を目ざしています。

ご案内(PDF)

教育訓練給付金制度を利用することができます

公務員以外の社会人で、一定の条件を満たす方には、国の教育訓練給付金が支給されます。

専修免許状取得について

本専攻では、幼稚園教諭専修免許状・小学校教諭専修免許状・中学校教諭専修免許状「社会」「英語」・高等学校教諭専修免許状「公民」「英語」を取得可能となっています。

特別支援教育士資格取得ポイント振替えについて

一般財団法人特別支援教育士資格認定協会が認定するLD(学習障害)、ADHD(注意欠如/多動性障害)等のアセスメント・支援の専門資格である特別支援教育士の資格取得に必要な36ポイントのうちのほとんどを大学院単位で振替えることができます。

求める院生像

■ 教育学に関する基礎的知識を有し、教育の諸問題に深い関心を持ち、それらの解決に強い意欲を持っている人
■ 学校や子どもたちの教育的ニーズに即して、彼らの成長、発達に関わることに使命感を持っている人
■ 教育や保育の現場で活用できる、高度な専門的知識と実践力を修得しようとする人

臨床教育学専攻の3つのポリシー

本専攻では、次の"3つのポリシー"を定めています。

■ 入学者の受け入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)
■ 教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)
■ 修了の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)

「臨床教育学専攻の3つのポリシー」について

充実した実習・演習

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ボールを使った体づくりの活動の場面

現在日本の学校を取り巻く状況は、学力の向上、生徒指導上の諸問題、特別支援教育の充実、外国人児童生徒への対応等、教員が対応すべき課題の多様化が著しく、なかでもLD(学習障害)、ADHD(注意欠如/多動性障害)や高機能自閉症等の子ども、また家庭環境の面で配慮を必要とする子ども等、多様化する児童生徒に関する理解と支援の必要性が高まっています。
本専攻の学外実習としては、発達障害教育特別演習ⅠとⅡを行っています。
発達障害教育特別演習Ⅰは、具体的なテーマに沿った実践研究を行うことにより、発達障害に関する分野での実践・研究に必要となる現場体験及び文献講読による実践分析力と研究方法の習得をめざしています。具体的な実習場所として、阪神間の医科大学および総合病院、学校、親の会等と連携し、発達障害の子どもたちのアセスメントに関する基礎データの収集や実践観察を行います。
Ⅱでは、Ⅰで得られた基礎データをもとに、各自のテーマを持って学校での実践を行い、発達障害児へのエビデンスのある教育方法に関して研究を進めていきます。具体的には、研究協力校において、配慮の必要な子どもたちのソフトサイン等のアセスメントや授業観察などを総合的に評価し、個別指導や一斉指導でできる体づくりの活動案・校内環境の作り方・授業への取組などの提案をしたり、学校生活で観察できる子どもの行動と、その行動の基盤となっている体の様子への気づきを助け
るチェックシート試案を作成したりすることも進めています。
このほかに、院生もしくは院生の所属する学校が直面している教育実践上の課題について、理論と実践の融合を念頭に、実践と省察を繰り返しながら課題解決を図る実践的研究(アクション・リサーチ)である「スクールインターンシップ」を開講しています。

開講科目一覧(履修モデル)

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臨床教育学専攻の担当教員紹介

主な進路(社会人を除く)

  • 大阪府特別支援学校 教諭
  • 神戸市立特別支援学校 教諭
  • 飯塚ライム保育園長
  • 和歌山県小学校 教諭 
  • 関西保育福祉専門学校 講師
  • 中国体育系大学助教 など

これまでの修士論文

題   目
  • 「学力問題」に関する意識の研究:小学校教員の意識差の規程要因分析
  • 学校体育と社会体育の新たな融合の可能性
  • 超高齢化社会に対応した生涯学習モデルに関する考察
  • 小中学生及び発達障害児の睡眠パタ=ンの比較検討からみえる学校不適応について
  • 自閉症スペクトラム障がいの子どもの身体的不器用さと視覚認知機能の関連性について
  • 自閉症スペクトラム障害の子どもの身体的不器用さと片足立ちの関連性について
  • 小学生の行動背景における不器用さに関しての実証的研究―学習に向かう基礎となる体づくりのプログラム構築―
  • 就労に向けた、自閉症スペクトラム児(発達障がい児)への長期的支援とは-子供の年齢ごとの育てにくさの比較と特性の理解-
  • 小学生の眼球運動検査からみる身体的不器用さに関しての実証的研究-
  • 大学教育に学ぶ「学習意欲を高める方法」についての検証
  • 就学先を選定した保護者の認識とインクルーシブ教育の関連
  • 幼稚園における不器用に対しての感覚運動遊びの有効性に関する研究