教員紹介(国際コミュニケーション学部 観光学科)

准教授

劉 争 (Liu Zheng)

所属
国際コミュニケーション学部 観光学科
現代社会学部 観光学科
専門

日本思想、日本文学、中国思想(儒学)

主な担当科目(学部)

中国語中国文化(1)(2)、中国社会文化、専門演習、卒業研究、ビジネス中国語、観光中国語

■ 現在の研究テーマ(または専門分野)とその専門分野を志した理由・きっかけを教えてください。

私の研究テーマは戦後思想と中国の近代思想です。
主な研究対象は丸山眞男、加藤周一、竹内好など1910年代生れの戦後知識人らです。彼らは日本思想史の中で最も内省した思想家で、戦後の日本のあり方や日本人のアイデンティティなどについて必死に模索しました。やがて「伝統」と「近代」の挟間に置かれた日本人の主体性について文化の「古層」「雑種性」などのような独特なアイディアを生み出しました。そのアイディアは日本だけではなく、世界のほかの地域においても示唆的で有益な要素が多く含まれていると考えています。

■ プロフィール

私は中国北京市出身です。2000年に来日したので、2022年の今年で23年目になります。
2002年~2004年までNHK国際放送局およびNHK教育チャンネルテレビ中国語番組に出演しました。それ以降は東京西麻布に本社を置く大手メーカーの経営企画部および北京に立ち上げた翻訳会社の経営など約10年間の実務経験を積みました。
留学当初の博士前期課程の時は、日本上代文学を目指しましたが、やがて「文学」と「思想」の間に存在する「壁」を感じました。自ら10年ほど研究を中断して、実社会のキャリアを積むことにしました。そして再び研究を挑戦した時は「文学」と「思想」の「壁」を突き破ろうとした加藤周一の思想に関心を持ちました。
東京大学の博士前期課程と神戸大学の博士後期課程を経て研究成果の一部を拙著『「例外」の思想 ―戦後知識人加藤周一の射程』(現代図書、2021)にまとめました。いまの研究視野は日本哲学、西洋哲学と中国哲学を横断的に展開させながらそれらの新たな可能性を見出そうとした東洋知識人の思想です。

■ 高校生へのメッセージ

中国近代知識人で「最後の儒者」とも呼ばれる梁漱溟という人がいます。彼が西洋の方法を「第一種態度」と言います。その「第一種態度」が生きるための人間の道具に過ぎず、生きるという問題そのものを解決しないと言うのです。そのため、我々は「第二種態度」が必要だと言うのですが、「第二種態度」は何だと思いますか。

■ 講演・取材など協力可能なテーマ

中国社会文化、中国近代知識人、戦後知識人、加藤周一研究に関するテーマの取材、講演が可能です。