卒業生調査から見る本学の教育成果(2023年度実施)
卒業生は企業が求める能力レベルに達しているか
本学での学びやキャリア支援の取組みが卒業後の仕事や生活にどのように活かされているか、その効果や影響を把握するために、卒業生や就業企業、団体を対象とした卒業生調査を実施しています。(卒業から4年後の卒業生および就職先企業・団体が対象)
企業への調査では、「社会貢献性」「多様性理解」「コミュニケーションスキル」「前に踏み出す力」「チームで働く力」の5項目で、「達成」「ほぼ達成している」と答えた企業が8割以上、卒業生への調査では、「社会的貢献性」「チームで働く力」以外の項目で「能力が大きく増えた」「増えた」と答えた卒業生が8割を超えました。また、企業の回答と卒業生の回答で、評価の高い項目の多くが重なっています。一方で、「問題発見・解決力」は、卒業生、就職先企業ともに他の能力と比べて評価がやや低く、「問題発見・解決力」を伸ばすために何ができるかが今後の課題と考えられます。
大学時代の経験で役立っていること(卒業時との比較)
卒業時に「成長のきっかけ」として挙げられていた「難しい課題に挑戦」することや「卒論を完成」したことは、卒業後はあまり役に立っていると感じられていないことが分かりました。一方で、「教授・先生からの直接指導」は、卒業時の結果よりも卒業後の結果の方が割合が上回っていました(2023年度調査)。また、過去3年間の回答を合計した集計では、「海外留学」「国内インターンシップ」「グローバルスタディ」などの経験は、卒業後も「役に立っている」割合を比較的維持していることから、「教員との出会い(関係性)」や「経験学習」での経験は、学生にとって長期的な影響があるのではないかと考えています。※卒業時調査と卒業生調査の両方の回答があった学生のみの集計
授業での学びの成果、専門知識は増えている実感はあるものの、卒業後に役に立っているとはあまり思われていない点については、専門の学びと現実社会との関連性を考える仕掛けや経験学習との連携が必要であり、通常の授業をいかにして面白いと思わせるか工夫と改善が必要と考えます。
【2023年度調査実施概要】
○調査方法:Web調査
○調査時期:2024年1~2月
○有効回答数:卒業生 34件 / 就職先企業・団体 87件