卒業生は企業が求める能力レベルに達しているか
本学での学びやキャリア支援の取組みが卒業後の仕事や生活にどのように活かされているか、その効果や影響を把握するために、卒業生や就業企業、団体を対象とした卒業生調査を実施しています。(卒業から4年後の卒業生および就職先企業・団体が対象)
企業への調査では、「自律性」「社会的貢献性」「多様性理解」「コミュニケーションスキル」「前に踏み出す力」「チームで働く力」の6項目で、「達成」「ほぼ達成している」と答えた企業が8割以上、卒業生への調査では、「社会的貢献性」「問題発見・解決力」以外の項目で「能力が大きく増えた」「増えた」と答えた卒業生が8割を超えました。また、企業の回答と卒業生の回答で、評価の高い項目の多くが重なっています。一方で、「問題発見・解決力」は、卒業生、就職先企業ともに他の能力と比べて評価がやや低く、「問題発見・解決力」を伸ばすために何ができるかが今後の課題と考えられます。
大学時代の経験で役立っていること(卒業時との比較)
卒業時に「成長のきっかけ」として挙げられていた「難しい課題に挑戦」することや「卒論を完成」したことは、卒業後はあまり役に立っていると感じられていないことが分かりました。一方で、「素晴らしい授業を受講したこと」「教授・先生からの直接指導」「尊敬できる教授・先生との出会い」は、卒業時の結果と卒業後の結果に大きな変化はありませんでした(2024年度調査)。また、過去3年間の回答を合計した集計では、さらにこの傾向が強くなっています。印象が⾼く維持されている「⼈とのつながり」に関する経験は、卒業後の社会⽣活において想起される場⾯があるものと推察されます。※卒業時調査と卒業生調査の両方の回答があった学生のみの集計
授業での学びの成果、専門知識は増えている実感はあるものの、卒業後に役に立っているとはあまり思われていない点については、専門の学びと現実社会との関連性を考える仕掛けや経験学習との連携が必要であり、通常の授業をいかにして面白いと思わせるか工夫と改善が必要と考えます。