教員紹介(心理学部 心理学科)

教授

道免 逸子 (Itsuko Domen)

所属
心理学部 心理学科
人間行動学研究科 人間行動学専攻
専門

臨床心理学

主な担当科目(学部)

心理学的支援法、心理演習、災害心理学、公認心理師の職責、健康・医療心理、関係行政論

主な担当科目(大学院)

心理療法特論、健康心理学特論

主な研究テーマ

トラウマ関連障害(PTSD、解離性障害、適応障害等)への認知行動療法、サバイバー・ギルトの研究

主な著作等

『構造的解離を伴うPTSDへのナラティヴ・エクスポージャー・セラピー』(日本サイコセラピー・薬物療法学会雑誌)

『交通災害が被害者に与える長期的影響に関する文献レビュー』(心的トラウマ研究)

『子供が学校に行きたくなくなったとき読む本』(丸の内出版, 共訳)など

Q1:現在の研究テーマ(または専門分野)とその専門分野を志した理由・きっかけを教えてください。

現在、トラウマ関連疾患とその治療法についての研究を行っています。臨床フィールドになった精神科単科の拠点病院で多くのトラウマ関連疾患の患者さんと出会ったことから、トラウマの臨床に関心を持ちました。人生早期の傷つきが多い方には、トラウマのほかに、解離、愛着といったレンズを持つことが有効と考えています。こころのケアセンターで災害とPTSDをテーマに行った研究から、トラウマと災害との接点である災害心理学にも関心を持ちました。

トラウマ学は、臨床心理学、精神医学のみならず、社会学、人類学、神経生理学、経済学、芸術など様々な研究が交差する興味深い学際的研究分野であると思います。

Q2:プロフィール

私は生まれも育ちも埼玉県で、中学から大学まで東京に通学する埼玉都民でした。大学は英文学専攻でチョーサーのカンタベリー物語をテーマに卒論を書き、学生オーケストラでビオラを弾き、心理臨床とは無縁でした。人生半ば過ぎての挫折体験から臨床心理士と出会い、これは必要な仕事だなと新鮮な驚きを感じたことを覚えています。その後大学院に入り、それまでの人生とは違う道を歩むことになりましたが、大学学部時代に培った知識は、洋文献を読む時や海外での学会活動の際に役立っており、何がどこで役に立つかわからないなあ、と思います。

Q3:高校生へメッセージをお願いします。

心理学にはいろいろな分野がありますが、臨床心理学は、こころの問題で困っている人と出会い、その人がもともと持っている力につながりにくくしているものを取り除き、その人本来の力とつながり易くするサポート方法を考える学問と言えます。

人のこころに関心があり、自分と向き合って自分の問題をある程度解決できる人、そして相手をリスペクトすることができる人はこの分野に向いていると思います。

Q4:講演・取材など協力可能なテーマ

「長期的反復的な被害体験のもたらす影響」「自伝的記憶とトラウマ」「トラウマの累積と適応障害」「大規模交通災害の影響」「ストレス・マネジメントとセルフケア」「複雑性PTSDとナラティヴ・エクスポージャー・セラピー」