教員紹介(教育学部 教育福祉学科)

教授

濱名 陽子 (Yoko Hamana)

所属
教育学部 教育福祉学科
人間行動学研究科 臨床教育学専攻
主な担当科目(学部)

教育学概論、家庭支援論、人間学Ⅰ

主な担当科目(大学院)

教育学特論Ⅰ、学校園における危機管理Ⅰ、人間行動学演習、修士論文指導

主な研究テーマ

家庭教育・幼児教育の社会学

主な著作等

『幼児教育の変化と幼児教育の社会学』(『教育社会学研究』第88集単著)

『創造的コミュニティのデザイン-教育と文化の公共空間-』(有斐閣・共著)

『教育の社会学 [新版] 』(有斐閣・共著)など

■ 現在の研究テーマ(または専門分野)とその専門分野を志した理由・きっかけを教えてください。

教育社会学のなかでもとくに幼児教育に関する分野を専門にしています。幼児教育、保育のいう分野を社会学的に研究するという場合、子どもを取り巻く環境がどのような影響を与えるのかという視点が重要になります。社会全体の変化や家庭環境といった子どもたちが自分では変えられない変数によって、子どもたちの将来を大きく左右する幼児期の過ごし方がどのように変わるのか、子どもの貧困の問題、社会階層による格差の拡大、外国人児童の増加、など日本社会が抱える社会問題と乳幼児の生活との関係が私の研究テーマのひとつです。

もうひとつの研究テーマが、やはり社会環境の影響を強く受ける保護者の問題です。少子高齢化が社会問題になっていますが、その背景にあるのは、子どもを産み育てるということ自体に希望を見いだしにくくなっているという新しい子育ての困難といえます。自分の子育ての体験と保育所や幼稚園で保護者の方と出会うなかで、このテーマも私のライフテーマになりました。

■ プロフィール

大学院教育学研究科博士課程を出て、国立大学の助手を1年だけ務めたのち、関西に移り関西女学院短期大学(本学の前身です)の設立の手伝いをするようになりました。短期大学の開学を見届けたのち、4年制大学への昇格、大学院の設置、尼崎キャンパスの開設と、本学の歴史をそばでずっとみてきました。

私は短大の開設準備を手伝っていた頃、新島襄の「同志社大学の設立の旨意」という文書に出会いました。そこには、資金の多さや施設の完備の面では国の設置する学校に比べて劣るかもしれないが、独自一己の気質を発揮し、自治自立の人民を養成することこそが私立大学の特性であると書かれており、私は心底感動しました。私自身、幼稚園から大学院まですべて公立出身で一度も私学で学んだことはないのですが、そのときから日本における私立学校の存在意義、使命というものを強く意識するようになりました。

自治自立ということは、本学の教育目標ともつながります。学生たちが自分自身の魅力を発揮し、自分の人生をしっかりと生き、それが社会の一隅を照らすような人となっていくこと、それをそばで応援できる仕事を生業にできていることが何よりの幸せです。

■ 高校生へのメッセージ

豊かな社会と思える日本ですが、大人になることにけっこう困難を抱えた社会といえます。高校卒業時の進路選択までに実際の社会と接する機会の少ない日本では、自分のやりたいことを見つけることがなかなか難しいことがその原因のひとつです。

そんななかでも、高校生の皆さんはバーチャルでもいいので、いろいろな情報を調べてみてください。そしてできればボランティアや海外研修など高校生のうちに実際に体験できることに積極的に参加してみてください。あなたが心を揺さぶられたこと、興味のあることについて学んでみたいなと思えるようになったら何よりだと思います。その分野が実際の進路に結びつけばラッキーですが、そうでなくてもいいのす。AI(人工知能)の進展などますます社会の変化が激しくなる日本では、今想定できる職業や就職先が10年先も変わらずあるという保証がないといえます。学びたいことを最優先で考えていったらいいのではないでしょうか。

■ 講演・取材など協力可能なテーマ

幼児期からのキャリア教育、子育て支援全般、保育者の早期退職問題、潜在保育士問題など