教員紹介(保健医療学部 看護学科)

准教授

中世古 恵美 (Emi Nakaseko)

所属
保健医療学部 看護学科
看護学研究科 看護学専攻
主な担当科目(学部)

公衆衛生看護活動展開演習、公衆衛生看護管理論、個人・家族・集団・組織支援活動論、公衆衛生看護学実習

Q1.現在の研究テーマ(または専門分野)とその専門分野を志した理由・きっかけを教えてください。

高校卒業後、看護師を志して看護専門学校に進学しました。最初は保健師になることは全く考えていなかったのですが、看護専門学校の時の保健所実習で初めて保健師の活動を知りました。赤ちゃん訪問や乳幼児健康診査、地域住民を対象とした健康教室などに参加し、赤ちゃんから高齢者まで、そして地域で生活する健康な人も含めて支援する保健師の活動の幅広さを感じました。そして、施設の中での活動だけでなく、家庭や地域にこちらから出向いていくという保健師の活動方法に今までの病院実習とは異なる新鮮さを覚えました。病院での看護師の仕事にもやりがいは感じていましたが、将来は保健師として地域で働きたいという気持ちが芽生え、看護師資格を取得後、保健師資格取得のため兵庫県立総合学院保健学科に進学しました。

研究活動では、青年海外協力隊の保健師隊員としてのバヌアツでの活動経験から、バヌアツの子どもを対象とした子どもの生活習慣、喫煙・飲酒行動に関する研究を行ってきました。今後は今までの研究で得た学びや経験を元に、国内での研究、保健師教育に関する研究にも取り組んでいきたいと考えています。

Q2.プロフィール

高校卒業後、岡山赤十字看護専門学校に進学し、1年間病院看護師として勤務後、地元の兵庫県に戻り、兵庫県立総合衛生学院保健学科に進学し、保健師資格を取得しました。卒業後は滝野町(現加東市)の保健師として5年間勤務し、その後青年海外協力隊の保健師隊員として2年間、南太平洋の島国であるバヌアツ共和国で主に母子保健活動、学校保健活動を中心に活動をしました。活動終了後は、兵庫県内の保健所、保健センターでの保健師(臨時雇用)、兵庫県看護協会での勤務などを経て大学教員の道に進み、兵庫県内の看護系大学で主に保健師教育に取り組んできました。大学教員になってからは、大学院にも進学し、バヌアツでの研究に取り組んできました。

Q3.看護の仕事をしてよかったと思ったことは何ですか?

地域で働く保健師は「地区担当制」といって一定地域の住民を担当します。1年、2年と活動を重ねていく中で、少しずつ自分の担当地域への理解や愛着が深まっていきました。家庭訪問や健康教育などで地域に出掛けた時、住民の方から「ああ、あの時の保健師さんよね」と声を掛けてくださると、この地域の担当保健師であるという実感が湧き、とても嬉しく感じました。新生児訪問をした赤ちゃんが、3か月児健診、1歳6か月児健診、3歳児健診を受診され、元気にすくすくと成長する姿を母親と共に実感できる喜びもありました。病院での一定期間における看護とは異なり、長いスパンで住民の方の生活と健康を支援することができるのは保健師ならではの仕事のやりがい、醍醐味だということを感じました。

また、看護職の活動の場は国内だけにとどまりません。私は青年海外協力隊員としてバヌアツ共和国で活動しましたが、この経験は自分の価値観を変える経験でもあり、海を越えなければ得ることのできない貴重な学びや気づきがありました。活動をとおして看護には国境はないということを実感し、後に研究者、教育者を目指きっかけともなりました。国内外を問わず世界のすべての人を対象に活動ができるのは看護職の魅力だと思います。

Q4.看護の仕事をして辛かったことは何ですか?

とくに新人保健師の頃は、対象者の不安や疑問にすぐに応えることができず、自分が全く相手の役に立てていないと感じ辛かったです。家庭訪問をしても訪問を拒否され、対象者の方から信頼や信用を得ることの難しさを感じたこともありました。自分が一生懸命関わっていることがかえって対象者の方の負担になっていることを後になって知り、対象者の立場に立つことができていなかったことを実感し、自分の関りを悔やんだこともありました。

Q5.高校生へのメッセージ

看護職は健康を切り口に対象者のその人らしいより良い生活を支援するやりがいの仕事、対象者との関わりを通して自分自身が成長していくことができる素晴らしい仕事だと思います。看護職の働く場は国内外に広がっており、今後ますます活動の幅は広がっていくと思います。看護の対象は疾患や障害を持った人だけにとどまらず、健康な人も含まれます。地域での看護活動に興味がある方は是非保健師にも挑戦していただきたいと思います。

Q6.講演・取材など協力可能なテーマ

生活習慣病予防について、介護予防について、感染症の予防や知識について、開発途上国での看護活動について