関西国際大学では、下記のとおり、2000年代初めからIRに関する取り組みを進めてきました。
- ○学生が自分の学習経験と学習成果を蓄積できる「e-ポートフォリオ」の運用を開始した。
・本学の学生が卒業時までに身につけるべき能力を定めた「KUISs学修ベンチマーク」と組み合わせ、一人ひとりが効率よく目標管理ができるようになっている。
・これらの仕組みを組み合わせることで、学生は日々の学びの中で、実践と検証、改善を繰り返すPDCAサイクルを回し、目標に近づけるようになっている。
- ○評価センターでは、他の学生情報と合わせてデータベース化し、学生支援や教育改善のための現状分析、学部や大学が全体として教育目標を達成できているかどうかのアセスメントなどに活用している。
- ○大学間ネットワークである一般社団法人 学修評価・教育開発協議会を2016年5月に設立し、2022年には大学等連携推進法人の認定を受けた。併せて、全国の国公私立大学が参加する「一般社団法人大学IRコンソーシアム」への参画を通じて収集した共通調査データも加え、より俯瞰的に本学の強み・弱みを把握している。
- ○その結果を年間レポート「KUISs Performance Report」に取りまとめて発刊している。なお、本学の学生は数量的な分析・表現が弱い一方で、異文化理解や他者との共同作業、プレゼンテーションなどに強いという傾向が見えている。
- ○これらの分析と考察は、入試改革や教育改善、キャリア支援などにも役立てている。
評価センターでは、学内の様々なデータを適宜収集・分析し、総括のみならず形成的な視点でその成果を広く活用することで、本学の「教育の質保証」の向上につなげていくことを目指しています。
評価担当副学長 藤木 清 教授
評価センター長 中嶌 康二 准教授

Keywords
IR(InstitutionalResearch)
大学内のさまざまな情報を収集・分析し、教育や研究、学生支援、大学経営などに活用すること。アメリカで1960年代に生まれて普及。現在では日本でも多くの大学がこの考え方を取り入れて、専門部門を設けている。
ポートフォリオ
学習の記録や成果、目標などを書き込んでいく記録ファイル。クを通じて成長を確認しながら前進できるようになっている。2007年からは電子化され「e-ポートフォリオ」に進化した。
KUISs学修ベンチマーク
学生が身につけるべき能力を示したもの。5つの大きな目標とそれを達成するために必要な能力で構成されており、これらのチェックを通じて成長を確認しながら前進できるようになっている。[5つの大項目]・自律できる人間になる ・社会に貢献できる人間になる ・心豊かな世界市民になる ・問題解決能力を身につける ・コミュニケーション能力を身につける