学長室

202103.11
学長室

【学長室】東日本大震災から10年を迎えて

2011年3月11日に発生した東日本大震災から10年の節目を迎えました。学生の皆さんにも、東北地方太平洋沖地震、大津波による自然災害とこれに伴う福島第一原子力発電所事故という複合災害によってもたらされた、災害史上未曽有の大惨事は記憶に残っていることと思います。


死者15,899人、負傷者6,157人に加え、行方不明者が2,525人と大きな人的被害と住宅でも12万戸以上が全壊、28万戸以上が半壊され、47万人以上が避難生活を送られ、現在も41,000人以上の方が避難生活を余儀なくされています。


ここに亡くなられた方のご冥福をお祈りし、現在もなお厳しい生活を送られている皆さまに、お見舞いを申し上げたいと思います。


"10年一昔"という言葉がある一方で、被災者の過半数の方が復興は順調ではないという、意見を持たれている調査があることを思うと、10年前の大震災は決して過去の事にはなっていません。とりわけ、原発事故のあった福島県ではいまだに立ち入り禁止地区も残り、厳しい状況が続いています。


このような状況は、阪神・淡路大震災を経験した私たちのとっては決して他人ごとではありません。東日本大震災から10年の節目のときを、阪神・淡路大震災の被災地に位置する本学に学ぶ学生のみなさんとしても、防災・減災に対する自分自身の取組への振り返りの機会にしていただきたいと思います。


近い将来に予想されている南海トラフ大地震を考えれば、私たち自身が常に災害に対する備えと心づもりをし、危機管理意識を忘れず、周囲の人々との助け合いの精神を忘れてはならないようにしなければなりません。


本学では今年度も218人の防災士資格取得者を輩出し、安全・安心に向けての教育機会を提供し続けています。皆さんには、改めて亡くなられた方のご冥福を祈り、被災者の皆さんの痛みに思いをはせ、安全・安心社会づくりにどのように貢献できるかを考える機会としてください。


令和3年3月11日


           学長 濱名 篤

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