学長室

202203.10
学長室

東日本大震災から11年を迎えて

2011年3月11日に発生した東日本大震災から11年を迎えました。

私たちは、大地震、大津波による自然災害とこれに伴う原子力発電所事故という複合災害によってもたらされた、災害史上未曽有のこの大惨事を決して忘れることはありません。

死者15,900人、負傷者6,157人に加え、行方不明者が2,523人と大きな人的被害と住宅でも12万戸以上が全壊、28万戸以上が半壊され、47万人以上が避難生活を送られ、現在も38,000人以上の方が避難生活を余儀なくされています。

あらためて亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈りし、現在もなお厳しい生活を送られている皆さまにお見舞いを申し上げたいと思います。

11年を過ぎようとしている今日でも、被災された方々の生活復興は道半ばであることを思うとき、自然の脅威とその脅威に立ち向かい安全・安心な社会づくりに努めていくことの大切さを痛感するところでもあります。

東日本大震災は、阪神・淡路大震災を経験し、近い将来に南海トラフ大地震が想定される地域に生活する私たちにとっても決して他人事ではなく、防災・減災に対する自身の振り返りの機会としなければなりません。私たち自身が常に災害に対する備えと心づもりをし、危機管理意識を高め、周囲の人々との助け合いの精神を忘れてはならないと思います。

世界に目を向けても、今ウクライナで起こっているロシアによる武力侵攻によって、多くの人命が失われ日常生活が破壊されていることに心が痛みます。"安全・安心"は人間にとって最も基本的な人権の一つでありながら、必ず保証されているものないことを痛感し、常に意識して守り続けることを心がけていかなければなりません。

本学では今年度も246人の防災士資格取得者を輩出し、累計学生防災士1,228名を誕生さるなど、安全・安心に向けての教育機会を提供し続けています。

今日という日を、被災者の方々の痛みに思いをはせ、安全・安心な社会づくりにどのように貢献できるかを考える機会にしていきたいと思います。

令和4年3月11日

学長 濱名 篤

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