学長室

202401.11
学長室

阪神・淡路大震災から29年にあたって

 阪神・淡路大震災から29年が経過しました。1995年1月17日に発生した戦後初の大都市直下型地震は、6434人もの尊い命を奪い、平穏な生活や住み慣れた街を一瞬のうちに崩壊させてしまいました。

 私たちは常に自然災害の脅威にさらされた時代を生き抜かなければなりません。本年の1月1日に発生した令和6年能登半島地震は改めてそのことを認識させられました。
 今回の震災で亡くなられた皆さまのご冥福を祈るとともに、今現在も被害に直面している方々の苦難に思いをはせ、1日も早い復興に本学も協力し寄り添っていきたいと思います。

 阪神・淡路大震災も厳寒の中で起こり、地震、火災に加え、被災した方々はライフラインが途絶えた中での長期にわたる避難所生活等から、心身ともに大変な苦労をされてきました。29年前にこの地の被災者の皆さんが受けた幾多の苦難と同じ苦難を、能登半島地震の被災者の方々が必死に乗り越えようとされているのです。本学としても出来る限りの被災地支援に取り組みたいと思います。

 次なる巨大地震南海トラフが近い将来に起こることは確実視されており、そのリスクは高まっていると言われています。阪神・淡路大震災の被災地にある本学としても、防災教育に力を入れ全学部で防災士が取得できるようにし、関西の大学最多の学生防災士を輩出しています。今後とも大震災の教訓を活かし自然災害からの脅威を逞しく乗り越える人材の育成に力を注いでまいります。

 本学の建学の精神である「以愛為園」は、人に対する思いやりや受け容れる姿勢、つまり他人の痛みや喜びに対する感性とそれを自ら行動に移すことができることでもあります。「安全・安心」な社会や環境づくりをめざす本学の教育とその実践を通して、他者を気遣い、人と人とのつながりを大切にする社会の実現に取り組んでいくという決意を、皆さんと共に新たにしたいと思います。

 最後に、改めて阪神・淡路大震災と能登半島地震で亡くなられた皆様の鎮魂を心よりお祈りいたします。

2024年1月11日

学長 濱 名 篤

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