学長室

202403.11
学長室

東日本大震災から13年を迎えて

 2011311日に発生した東日本大震災から13年を迎えました。

 大地震、大津波、原子力発電所事故という災害史上未曽有のこの複合大災害を、私たちは決して忘れてはなりません。

 東北地方の沿岸部を中心とした広範な地域に、死者15,900人、行方不明者2,523人、全壊12万戸以上、半壊26万戸以上という甚大な人的被害、物的被害をもたらし、20243月現在でも約2.9万人以上の方が避難生活を余儀なくされています。

 あらためて亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈りし、現在もなお厳しい生活を送られている皆さまにお見舞いを申し上げ、今日という日を、被災者の方々の痛みに思いをはせ、安全・安心な社会づくりにどのように貢献できるかを考える機会にしていきたいと思います。

 こうした悲劇は世界でも国内でも繰り返されています。

 今年の元日に起きた令和6年能登半島地震では、35日現在で死者241人、安否不明者7人、避難所生活が約1万人(広域避難所、1.5次、2次避難所含む)と、2か月が経過した現在も復旧復興のめどはたっていません。

世界に目を向けると20232月にトルコ南東部で起きたマグニチュード7.8の地震とその後の地震で、死者がトルコとシリアの両国でおよそ6万人以上となり、1年たっても仮設住宅で69万人が今も生活をされていると報道されています(2024年2月現在)。本学からも齋藤・村田両先生やグローバルスタディ参加学生が現地に赴き現地の状況調査等に参加してくれました。

 被災された方々の生活復興は道半ばであることを思うと、自然の脅威とその脅威に立ち向かい安全・安心な社会づくりに努めていくことの大切さを痛感するところでもあります。

近い将来に南海トラフ大地震が想定される地域に生活する私たちにとっても決して他人事ではなく、防災・減災に対する自身の振り返りの機会としなければなりません。私たち自身が常に災害に対する備えと心づもりをし、危機管理意識を高め、周囲の人々との助け合いの精神を忘れてはならないと思います。

 ウクライナで起こっているロシアによる武力侵攻によっても、多くの人命が失われ日常生活が破壊されていることに心が痛みます。"安全・安心"は人間にとって最も基本的な人権の一つでありながら、必ず保証されているものではないことを痛感し、常に意識して守り続けることを心がけていかなければなりません。

 本学では今年度も234人の防災士資格取得者を輩出し、累計学生防災士1,710名を誕生させるなど、安全・安心に向けての教育機会を提供し続けています。

 併せて、現在も続けている、トルコ・シリア地震支援とウクライナ支援の募金に皆さんの1食分以上の募金を是非お願いします。世界での悲劇に対し少しでも痛みが共有できることを期待します。

 来年は阪神淡路大震災から30年という節目を迎えます。大規模災害からの学びは先人たちから皆さんがしっかりと受け継ぎ、防災・減災を「自分事」としてください。

2024年3月11日

学長 濱 名 篤

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