
大学からのお知らせ
グローバルスタディ報告(ミャンマー/ヤンゴン)地域社会における防犯意識・治安対策の実態を調査


2020年2月6日から14日にかけて、日本とミャンマーにおける文化の違い、防犯に対する意識、犯罪の実態や治安対策の違いを調査するため、ミャンマー・ヤンゴンでフィールドリサーチを実施しました。
ミャンマーは近年、あらゆる面で変革と発展が進んでおり世界から注目されている国です。数年前に長年の軍事政権から民主国家へと社会体制が大きく変化しました。経済的発展が見込まれる一方で、貧困・格差、民族衝突、自然災害、制度や法律、社会基盤の未整備など抱える問題も数多くあります。私たちは事前学修でこの国の基礎知識、地域防犯に必要な要素、日本の警察システムについてなどを学んだうえで、日本を出発しました。
現地では、JICAミャンマー事務所、ヤンゴン大学、日本人墓地訪問、ヤンゴン消防署、ミャンマー気象水文局気象レーダー、ヤンゴン市内の警察署、大使館、ミャンマーセコムなどを訪問しました。
JICAミャンマー事務所では、ミャンマーの様々な事情・ミャンマーにおけるJICAの取り組みやミャンマーの防災・減災に関することについて、消防局と気象レーダーでは、ミャンマーにおける防災・減災のために現場で行っていることを学ぶことができました。
ヤンゴン大学においては、学生同士が交流を行い、その中でミャンマーの人々の防犯に関する意識などについてインタビュー調査を実施しました。同じ大学生ですが、防犯や防災に関する考え方が違うことを学ぶことができました。言葉がうまく通じない中、学生たちは試行錯誤しながらコミュニケーションをとっていました。
ヤンゴン市内の警察署では、地域警察がどのようなことを防犯のために行っているか、その取り組みを学びました。最近、ヤンゴン市内では多くの防犯カメラが導入され、街の安全のために監視を行うようになったことなどを知ることができ、カメラの監視室の見学もすることができました。また、日本の警察とは様々な違いがあることを学ぶことができました。
大使館とミャンマーセコムでは、ミャンマー特にヤンゴンにおける犯罪事情を聞くことができ、犯罪統計のとり方の問題や防犯の問題など、多くのことを知ることができました。
学生はそれぞれの訪問先で多くの質問を行い、積極的にミャンマーの防犯についての学びを深めていました。
日々行われたフィールド調査では、大通り、小さい道路、マーケット、ショッピングセンター、コンビニ、飲食店など、様々な場所を歩き回り、犯罪の発生しやすい環境、危険箇所などをリサーチしました。たとえば道路の街頭の少なさや死角の多さ、店や住宅の防犯設備などをチェックしました。
フィールド調査で学生たちがまず驚いたのは、自動車の多さでした。ヤンゴン市内はバイクは禁止されていますが、車の所有率が爆発的に増えており(日本の中古車が圧倒的に多い)、交通ルールや道路が整備されていない中での車の増加であり、クラクションや割り込みなどの状況、横断歩道・信号が少なく、歩行者は走ってくる車と車の間を見計らって渡らねばなりませんでした。
学生は街中でも積極的にインタビューやアンケート調査を行なっていました。
セキュリティをはじめ設備の整ったショッピングモールとマーケットは全く異なっており、地域に住む人々がさまざまな物を売り、買う姿から大変な活気を感じると同時に、衛生や交通、防犯や防災などのための社会整備が行き届いていない現状を知りました。
現在、プログラムの参加者は、ミャンマーで体験した、調査したことに日本との違いが多くあったことに驚きながら、その違いがどこから生まれるのか、背景にあるものを探り、理解するために振り返り、考察を行なっています。



