
数理・データサイエンス・AI教育プログラム


関西国際大学では、2022年度よりデータサイエンス副専攻を設けており、文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」認定制度に適合したカリキュラムを構築し、全学的なデータサイエンス教育プログラムを実施しています。この教育プログラムは、2023年8月に文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」に認定されました。
さらに、社会学部では、2021年度からデータサイエンス専攻の教育課程を開始し、開設された「高度データサイエンス人材育成プログラム」の科目を通じて、社会や企業における課題に対処するための実践的な能力を習得し、必要なデータサイエンスの応用知識および関連技術を体系的に修得できる人材の育成を目指しています。この教育プログラムも、2023年8月に文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(応用基礎レベル)」に認定されました。(関連記事参照)
「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」について

◇教育プログラム名
「データサイエンス副専攻」
◇身につけることができる能力
近年、人工知能(AI)やビッグデータなどの新しい情報技術の発達により、データが溢れるように遍在するデータ駆動型社会になりました。本教育プログラムでは、こうした社会で起きている変化や、AI・データサイエンスが実社会でどのように役立っているかを理解した上で、データを読む・データを説明する・データを扱う基礎となる数理的知識を修得し、AIやデータに対するリテラシーを高めるとともに、それらを利活用する際に求められる知識を身につけることができます。
プログラムを構成する科目群 | 授業科目に含まれる内容 | 授業科目名称 | データサイエンス副専攻の習得単位 |
---|---|---|---|
領域Ⅰ: 基礎統計学とその活用科目群 (基礎) |
統計および数理基礎 | 基礎統計学 社会統計学 統計学Ⅰ 統計学Ⅱ ビジネス統計学※ 統計学 疫学 保健統計学 |
4単位習得 ※ビジネス統計学、経営学科は4単位 |
データ活用実践 | 社会調査論 リサーチ入門※ |
1単位習得 ※リサーチ入門は1単位 |
|
領域Ⅱ: ICT活用・データサイエンス実践科目群 (導入・心得) |
データ・AI利活用における留意事項 | 情報リテラシー ICTリテラシー |
2単位習得 |
データリテラシー | ICT活用A (データサイエンス基礎演習) |
2単位習得 | |
社会におけるデータ・AI活用 | データサイエンス入門 データサイエンス |
2単位習得 |
◇学科別「データサイエンス副専攻」開設される授業科目、修了要件
本教育プログラムは全学部全学科の学生が履修可能となっており、所属する学部学科のデータサイエンス副専攻を構成する領域Ⅰ科目群から5単位以上、領域Ⅱ科目群から6単位以上を修得すること。
※各科目の単位数は2単位、ただしリサーチ入門は1単位、経営学科のみビジネス統計学は4単位。各学科の授業科目は下表の通りです。
指定された申請期間中に副専攻登録申請し、これらの単位を取得することで、本教育プログラム修了者として認定されます。
学部 | 学科 | 授業科目(単位数) |
---|---|---|
社会学部 | 社会学科 | 基礎統計学(2単位)、社会統計学(2単位)、社会調査論(2単位)、情報リテラシー(2単位)、ICT活用A(2単位)、データサイエンス入門(2単位) |
保健医療学部 | 看護学科 | 疫学(2単位)、保健統計学(2単位)、リサーチ入門(1単位)、ICTリテラシー(2単位)、ICT活用A(2単位)、データサイエンス(2単位) |
教育学部 | 教育福祉学科 | 統計学Ⅰ(2単位)、統計学Ⅱ(2単位)、リサーチ入門(1単位)、ICTリテラシー(2単位)、ICT活用A(2単位)、データサイエンス(2単位) |
心理学部 | 心理学科 | 統計学Ⅰ(2単位)、統計学Ⅱ(2単位)、リサーチ入門(1単位)、ICTリテラシー(2単位)、ICT活用A(2単位)、データサイエンス(2単位) |
国際コミュニケーション学部 | 英語コミュニケーション学科※ | 基礎統計学(2単位)、ビジネス統計学(2単位)、リサーチ入門(1単位)、ICTリテラシー(2単位)、ICT活用A(2単位)、データサイエンス(2単位) |
観光学科 | ビジネス統計学(2単位)、統計学(2単位)、リサーチ入門(1単位)、ICTリテラシー(2単位)、ICT活用A(2単位)、データサイエンス(2単位) | |
経営学部 | 経営学科 | ビジネス統計学(4単位)、リサーチ入門(1単位)、ICTリテラシー(2単位)、ICT活用A(2単位)、データサイエンス(2単位) |
※2023年度よりグローバルコミュニケーション学科へ名称変更
◇授業の方法及び内容
コア科目の「データサイエンス」の授業では、「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」モデルカリキュラムを鑑み、文理融合し、専門性に依存しないような大学初年次向けの教材を開発しました。対面授業とオンデマンドで併用可能なコンテンツとなっており、各学科が進めています。
統計学系の科目は各学科の既存科目を活用して進めています。
各科目では、次の項目を学修していきます。
詳細な学修内容と授業科目の対応関係については、以下のファイルをご参照ください。
参考資料
「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(応用基礎レベル)」について

◇教育プログラム名
「高度データサイエンス人材育成プログラム」
◇身につけることができる能力
本教育プログラムでは自らの専門分野の研究や卒業後の就業に際し、社会や企業における課題をデータから解決できるように、様々なデータを適切に収集・解析し、AIを活用するためのシステム構築から運用までの流れに関する知識や技術を学修し、数理・データサイエンス・AIに関する実践的な応用基礎力を身につけることができます。
プログラムを構成する科目群 | 授業科目に含まれる内容 | 授業科目名称 | 高度データサイエンス人材育成プログラムの習得単位 |
---|---|---|---|
領域Ⅰ: 基礎統計学とその活用科目群 (基礎) |
統計および数理基礎 | 基礎統計学(必修) 社会統計学 |
4単位以上習得 |
データ活用実践 | 社会調査論 | ||
領域Ⅱ: ICT活用・データサイエンス実践科目群 (導入・心得) |
データ・AI利活用における留意事項 | 情報リテラシー | 4単位以上習得 |
データリテラシー | ICT活用A(必修) (データサイエンス基礎演習) |
||
社会におけるデータ・AI活用 | データサイエンス入門(必修) | ||
領域Ⅲ: プログラミング ビッグデータ・IoT・AI (応用基礎) |
AI・データサイエンス基礎 | ソフトウェア工学基礎 人工知能の基礎(必修) |
4単位以上習得 |
AI・データサイエンス実践 | データサイエンス論 データサイエンス実践演習(必修) |
||
領域Ⅳ: 既存専門科目群 (専門基礎) |
データ表現とアルゴリズム | データ構造とアルゴリズム(必修) Pythonプログラミング演習(必修) データベース基礎(必修) |
6単位以上習得 |
◇開設される授業科目、修了要件
本教育プログラムは関西国際大学独自の高度データサイエンス人材育成プログラムを構成し、社会学部の授業科目群から4つの科目群より構成しています。(下表)
本教育プログラム修了のために、「領域Ⅰの基礎統計学とその活用科目群」から4単位以上、「領域ⅡのICT活用・データサイエンス科目群」から4単位以上、「領域Ⅲのプログラミング技術・ビッグデータ・IoT・AI基礎科目群」から6単位以上、加えて「既存専門基礎科目群」から4単位以上、合計16単位以上を修得すること。
学部 | 専攻 | 授業科目(単位数) |
---|---|---|
社会学部 | データサイエンス専攻 |
■領域Ⅰ科目群: |
共生社会専攻 | ||
文化・メディア専攻 |
◇授業の方法及び内容
授業では、数理・データサイエンス・AIを活用して社会や企業における課題を解決するための実践的な能力を身につけるため、
下表に示す構成で必要となる知識及び技術を体系的に修得します。
詳細な学修内容と授業科目の対応関係については、以下のファイルをご参照ください。
参考資料
実施体制
委員会等 | 役割 |
---|---|
学長 | プログラムの運営責任者 |
教務委員会 | プログラムの改善・進化 |
評価センター | プログラムの自己点検・評価 |
2022年度の受講状況と自己点検・評価結果
本教育プログラムを改善・進化させるために、2023年度からは関西国際大学に設置している「データサイエンス教育部門」で自己点検及び評価を実施しその結果を公開していきます。
学内だけでなく企業など学外の方々からもご意見を頂きながら、本教育プログラムの質の向上に努めていきます。
◇プログラムの履修・修得状況
令和4年度教務委員会においては、データサイエンス副専攻について、令和4年度の履修者数39名、履修率1%という実績、および高度データサイエンス人材育成プログラムについて、令和4年度の履修者数54名、履修率27%という実績は、本プログラムの開始初年度としては、良好な結果であるとの判断があった。また、令和4年度末時点の単位修得状況については、データサイエンス副専攻及び高度データサイエンス人材育成プログラムともに、良好であり、ひきつづき学務webシステムを活用し、単位修得状況の把握に努めている。
◇学修成果
3つのポリシーを踏まえた学修成果の点検・評価方法の確立とその運用、教育目的の達成状況の点検及び評価方法の工夫と開発は、主に評価センター及び高等教育研究開発センターが中心となり、全学的に取り組んでいる。評価センターは、ディプロマ・ポリシーに掲げる能力・資質に関するベンチマーク達成度、到達確認試験結果、卒論ルーブリック及び学生調査等について集計・分析を行い、教育改善に資するよう大学協議会や教授会、PD研修会等の機会に、学部に対し報告を行っている。高等教育研究開発センター初年次教育部門は、1・3年生には11月に、4年生には卒業前に、学生生活に対する「大学への適応過程に関する調査〈学修偏〉」を実施している。また、評価センターでは、大学IRコンソーシアム学生調査(標本調査)を実施している。いずれも、学修経験や学修成果に関する学生の実感について調査し、学生生活の傾向や問題を分析し、学生の学修や生活改善にいかしていくよう、結果をPD(Professional Development)研修会(教職員研修会)で報告している。本学のデータサイエンス教育については、評価ツール「IRコンソ学生調査」を用いて、他大学との学修成果を比較したところ、本学学生には、数理的な能力の向上に課題のあることがわかった。このことから、データサイエンス教育の取組強化が重要であると考えられた。
◇学生アンケート等を通じた学生の内容の理解度
高等教育研究開発センター教育開発部門は、アクティブラーニング型への授業改革を目指し、中間・期末授業アンケートを毎学期実施している。中間アンケートは、学期途中でそれぞれの教員が担当の2科目以上で実施し、結果を当該授業の改善に迅速に反映させる仕組みが定着している。また、期末アンケートは学内オンラインで結果と科目担当者のコメントを公表し、学生が閲覧できる環境を整えている。
この学生アンケート集計結果によると、データサイエンス教育に関する調査項目として、「授業課題のためにWeb上の情報を利用した」と応える学生割合は向上する傾向にあり、また、「入学後の能力変化としてコンピュータの操作能力が向上した」と応える学生割合も増加することがわかった。
◇学生アンケート等を通じた後輩等他の学生への推奨度
本学ではこれまで、後輩等他の学生に対するデータサイエンス教育の推奨度に関するアンケート項目が設定されていなかったため、このアンケート項目については、令和5年度以降に調査する計画である。
◇全学的な履修者数、履修率向上に向けた計画の達成・進捗状況
令和5年度より、高等教育研究開発センターにデータサイエンス教育部門を新設し、履修者数、履修率向上に向けて、データサイエンス教育の改善と進化を図る計画である。