
大学からのお知らせ
濱名山手学院創立100周年記念シンポジウム 「グローバル人材の育成」をテーマに開催
2024年10月12日(土)、学校法人濱名山手学院創立100周年を記念して、関西国際大学神戸山手キャンパスで、「グローバル人材の育成」をテーマとしたシンポジウムが開催され、活発な議論が展開されました。
冒頭、濱名篤理事長の挨拶では、創設100年を迎えたことに触れ、当シンポジウムのテーマを設定する際に考慮した点について述べられました。濱名山手学院がこれまで培ってきた価値観と、これからの時代に求められる人材像を結びつけることの重要性を強調し、その理念と現代のグローバル社会に人材を送り出す使命、そしてそのための環境について深く思いをはせ、今回のシンポジウムのテーマを選定した背景を説明されました。
オックスフォード大学名誉教授の苅谷剛彦氏による基調講演「グローバル人材をどう育てるか?」では、まずグローバル人材の定義について来場者との問答から始まりました。国際化(組織)からグローバル人材(個人)の変遷、経済のグローバル化が教育に与えた影響や過去の事例が紹介され、日本でのグローバル人材の育成が問われる理由、政府の定義と政策評価のギャップなどに言及されました。また、グローバル人材そのものの定義が非常に抽象的であるため、その輪郭を明確にするために、より実践的なアプローチを取り入れ、帰納型思考に基づいた具体的な教育の必要性が強調されました。さらに、教育の目的を再認識し、それに基づいた教育を行うことの重要性が述べられました。講演会の終盤では来場者との質疑応答も行われ、苅谷氏がこれまでの経験と知見を余すところなく披露いただけた講演となりました。
続いて行われたパネルディスカッションでは、神戸経済同友会代表幹事の井谷憲次氏、JICA関西所長の木村出氏、神戸市副市長の黒田慶子氏、共同通信社前ニューヨーク支局長の渡辺陽介氏、本学卒業生の五十嵐一氏がパネリストとして参加。苅谷氏の基調講演を踏まえ、グローバル社会における日本の役割、神戸という国際都市のポテンシャル、産官学連携によるグローバル人材育成のあり方など、多岐にわたるテーマについて活発な議論が交わされました。グローバル人材育成の現状と課題、未来への展望について深い洞察が得られたパネルディスカッションとなりました。
当日の来場者は対面とオンラインを合わせて約260名に上り、事後アンケートからは「グローバル人材という定義を考え直す良い機会だった」「教育者として、グローバルな人材育成の方向性が垣間見えた。現場に活かしたい」「AIやICT技術が急速に発展する中での人材育成の重要性、必要性を実感した」といった具体的な意見が多数寄せられました。本学は、今回のシンポジウムで得られた知見を活かし、これまで以上にグローバル人材育成のための新たな取り組みを続けてまいります。より実践的な教育を提供できるよう努めてまいります。