地域協働(ボランティア)支援

202501.17
地域協働(ボランティア)支援

~ 阪神・淡路⼤震災から 30 年を経て ~

1 ⽉ 17 ⽇で阪神・淡路⼤震災から 30 年を迎えます。1995 年のこの⽇、死者 6,434 名(関連死を含む)、⾏⽅不明者 3 名、負傷者 4 3,792 名、10 4,906 棟の住宅が全壊という、未曽有の規模の⾃然災害がひょうご神⼾の地を襲いました。⾃然災害の猛威の前に、私たちの無⼒さを痛感する⼀⽅で、⼈々の連携や協⼒の素晴らしさを実感する瞬間でもありました。この年を「ボランティア元年」と呼ぶように、ボランティア活動は大きな転換期を迎えたのです。

震災 30 年の節⽬にあたり、皆さんと共に祈り、私たちにできることを改めて考えてみたいと思います。

まずは、阪神・淡路⼤震災で亡くなられた⽅々のご冥福を祈り、家族や友⼈を亡くされた⽅々の ために鎮魂の祈りを捧げたいと思います。

関西国際大学は、この歴史的な出来事を教訓とし、学生に防災・減災の知識を基礎教養として身に付けてもらいたいという考えから、2016年から「防災士養成講座」を開講しています。防災・減災の知識を身に付けた学生達が主体となり、学生防災士サークル「KUISs BOSAI」や「ちーぼ=地域防災ボランティアサークル」など様々なボランティアグループを設立し、地域の防災・減災意識の醸成活動や、被災地支援活動を行っています。これらの団体は、「阪神・淡路大震災の経験を次世代へ」をスローガンに、被災地で起きたことを後世に語り継ぎ、防災意識の向上に努めています。

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本学は防災⼠育成に⼒を⼊れ、教育ミッションに Commitment を掲げる学院として、できることを考えたいと思います。

能登半島地震では、死者が 489 ⼈(うち災害関連死 261 ⼈)、全壊家屋は 6,445 棟、半壊 23,225棟、⼀部破損 120,029 棟という⼤きな被害が発⽣しました。住家以外にも、道路、海岸線、⽔道インフラなど、さまざまな被害が発⽣し、復興どころか復旧が順調に進んでいない現状です。

1995 年に発⽣した阪神・淡路⼤震災の被災地には全国からボランティアが駆けつけ、発⽣後 1年間に⽀援活動に携わったのは 137 万⼈が⽀援活動に携わりました年代別で 20 代が最多だったそうです。しかし、能登半島地震の被災地に⼊る学⽣を⽀援するクラウドファンディングも 500 万円の⽬標に対し、締め切りの 2024 年 8 ⽉中旬時点で集まったのは 216 万円にとどまったそうです。

能登の被災地で活動したのは、2024 年 12 ⽉中旬までの累計で 16 万 6,851 ⼈、30 年前の阪神・淡路⼤震災の同期間の 1 割程度に過ぎないそうです(⽇本経済新聞 1 ⽉ 10 ⽇)。

30年というときの流れの中で、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震など、日本各地で大きな災害が相次いで発生しました。こうした状況の中で、学生たちはコロナ禍という困難な状況にも負けず、ボランティア活動のバトンを繋ぎ続けています。

今後できることとしてはまず、能登半島へのボランティア隊を派遣します。

本学防災ボランティアグループは専門の教員による被災地支援活動に向けての事前学習を受け、必要な物品の手配や災害ボランティア保険への加入など、現地での活動を自己完結出来るように準備を整えたうえで被災地支援活動に取り組んでいます。

被災地支援活動としては、家屋や道路の瓦礫撤去作業や足湯の提供など直接的な支援活動を行うことはもちろん、被災地学校でのスポーツ交流や住宅を回っての支援ニーズ調査など、心のケアや支援内容の充実を図る活動も行っています。また、活動後には、ボランティア活動に参加出来なかった学生も招いての事後学習会を開催し、経験を共有し、今後の活動に活かしています。 また、新入生への指導など、後進の育成にも力を入れています。

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そこで改めて、定期試験終了後、本学のボランティア隊を派遣することにします。防災⼠取得の有無にかかわらず参加を歓迎します。さらに、能登半島⽀援募⾦を実施します。

30 年前、私たちの地域に対し、全国・全世界から受けた厚情と熱い思いを、今度は繋いでいきたいと思います。全国屈指の防災⼠養成拠点である関⻄国際⼤学の学⽣として、また近い将来確実視される南海トラフ地震への備えとして、支え合い助け合う文化を次世代に継承し、災害に強い社会の実現を目指します。

改めて、阪神・淡路⼤地震をはじめ、これまでの⾃然災害で亡くなられた⽅々のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた⽅々に⼼からお⾒舞いを申し上げます。

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