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大学院臨床教育学専攻 特別プレ講座「不登校児童・生徒へのオンライン授業の可能性」開催
2025年8月4日(月)、本学尼崎キャンパスにおいて、関西国際大学大学院 臨床教育学専攻の授業公開特別プレ講座「不登校児童・生徒へのオンライン授業の可能性」(後援:神戸市、尼崎市、三木市、尼崎市教育委員会、(一社)大学都市神戸産官学プラットフォーム、協力:(一社)大学コンソーシアムひょうご神戸)を開催いたしました。
オンライン授業が拓く、不登校児童・生徒の学びの可能性
基調講演にご登壇いただいた盛山正仁氏(元文部科学大臣・本学客員教授)は、まず小・中学校における不登校の現状について概要を説明されました。その上で、国が進める不登校対策の全体像を紹介し、「誰一人取り残されない学びの保障」に向けた取り組みとして「COCOLOプラン」の概要に触れられました。特に、オンライン授業の可能性に焦点を当て、自宅でICTを活用した学習活動を指導要録上の出席として認める仕組みや、教室の授業をオンラインで配信する事例(福岡市)などを具体的に紹介され、不登校児童・生徒が学校以外の場所でも学習を継続できる環境整備の重要性を訴えられました。また、GIGAスクール構想の推進によって一人一台端末の整備や教室でのインターネット状況の大幅な改善など、ICT環境の充実に触れつつも、リアルで感じることや学ぶことが、学習にとっては必要不可欠であると述べられました。
尼崎市が示す「学びの多様化学校」への挑戦
続いてご登壇いただいた松本眞氏(尼崎市長)は、市内の不登校児童・生徒数の推移を示しながら、不登校対策の現状を報告されました。その上で、兵庫県下の公立学校では初めてとなる「学校型の学びの多様化学校」を令和8年4月の開校を目指し、現在取り組んでいることを紹介。子ども中心の視点に立ち、大胆な発想で新しい学校の形をデザインしていきたいと述べられました。
濱名篤学長が司会を務めた質疑応答では、会場だけでなくオンライン参加者からも寄せられた質問に対し、盛山氏と松本氏がそれぞれの立場から丁寧にご回答いただきました。不登校対策への熱意と、オンライン授業が拓く未来の教育に対する強い思いが伝わる、実り多い時間となりました。
また今回、教育関係者や地域住民、学生の方々など多くの方にご参加いただき、「教員はぜひ知っておくべき情報だった」「貴重なお話を聞けた」「国、市の視点で不登校問題について知れた為面白かった」など多数のご意見を頂戴しました。
本学は、尼崎キャンパスに教育学部を擁し、次代を担う教員を多数育成しています。今回の公開講座で得られた知見は、教員を目指す学生たちにとっても貴重な学びとなり、彼らが教育現場で直面するであろう課題に対する示唆を与えてくれるでしょう。関西国際大学は、今後も地域や社会と連携しながら、教育の未来を考える機会を創出し、貢献してまいります。