県立東灘高等学校は、2年生の総合探究Ⅰ「深江学」の授業の一環として、関西国際大学(KUISs)と高大連携授業を11月12日(水)に実施しました。生徒が取り組む地域課題や社会問題を深く探究するため、経営学と社会学の専門家2名が講師として派遣されました。



【樋田教授】「失敗はチャンス」マーケティングで高架下の活用を考える
経営学部の樋田 大二郎 教授は、「阪神深江駅の高架下の活用について考える」をテーマに、地域課題に取り組む生徒たちにマーケティングの基礎を指導しました。
授業は樋田教授の力強いメッセージ、「探究学習を進める上で、失敗から学んでいくこと、それを成長のチャンスだと思ってください」という言葉から始まりました。
次に、生徒たちの探究テーマである「深江駅高架下の空き地」の強みを活かすため、全国の高架下の革新的な活用事例を紹介し、生徒の創造性を刺激しました。
そして、講義の核として、マーケティングの必殺技である**STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)の理論を授業しました。特に「ポジショニング」の解説では、高校の先生に「恋愛におけるポジショニング」について発表してもらうというユニークな試みが行われ、会場は大いに盛り上がりました。この実践的なワークを通じて、生徒たちは自身の企画や活動の「強み」や「誰に届けるか」という探究の目標を明確にする手法を身につけました。


【山本准教授】卒業生が語る「外国人との共生」
一方、「外国人問題」をテーマに探究を進めるグループには、東灘高校の卒業生(25回生)でもある社会学部・グローバル学部の山本 晃輔 准教授が講義を行いました。
テーマ「多文化共生社会に向けての理想と現実」では、神戸という街の歴史と外国人との共生の関わりを解説。その上で、接触仮説や社会的アイデンティティ論といった大学の専門的な視点から、日本社会が外国人との共生をどう捉えるかという本質的な問題について、深く考察する機会が提供されました。
今回の連携授業は、生徒たちの探究活動を「現場レベルの知識」と「学術的な視点」の両面から支え、「深江学」の成果をより深めるための大きな推進力となりました。