犯罪心理学を専攻する私(高橋浩樹 教授 )のゼミでは社会的反響の大きい事件や事故、各種捜査制度などを各班に分かれてテーマを選定の上、事件発生時の新聞記事、ニュース映像、裁判の判決、事件を扱った書籍、映画など様々な媒体を使って事件を分析検討するといった研究をしています。
ゼミ生は、各班で検討した結果をプレゼンテーションという形で発表し、ゼミ生全員で質疑討論するといった形でゼミを運営しています。
警察庁によりますと、2025年度の特殊詐欺については、認知件数・被害額ともに著しく増加し、認知件数は、27,758件(+6,715 件、+31.9%)、被害額は、約 1,414.2億円(+695.4 億円、+96.7%)となっています。
また「ニセ警察詐欺」による被害が顕著で、認知件数10,936件、被害額は 985.4億円で、オレオレ詐欺に含まれる「ニセ警察詐欺」はオレオレ詐欺の認知件数14,393件中74.3%となっているとのことです。
そこで、被害防止策としてゼミ生が「特殊詐欺をゲームで学ぼう」とニセ警察官を騙る詐欺の犯行手口を紹介するカードゲームを考案しました。
作成に携わった学生は、警察庁や各都道府県警察のホームページや防犯通信、YouTubeなどから犯行手口を学び、実際の犯行に使用される言葉を抽出して、詐欺師側と被害者側双方のセリフを組み合わせたカードを作成しました。

詐欺師側

被害者側
ゲームはロールプレイング型で進め、その要領は次のとおりです。
【ゲーム構成】
・プレイ人数:4人(詐欺師チーム2人、被害者チーム2人)
・カード:36枚(詐欺師カード18枚、被害者カード18枚)
・1人9枚使用、ゲーム時間1回10分程度
【手順】
『〇〇署の△△と申します』のカードを持っている人から時計回りに進行する。
(1) 上記のカード+詐欺師側のカード1枚を出す。(詐欺師チーム)
(2) 次の人は、詐欺師側のカードに合わせて被害者側のカードを出す。(被害者チーム)
(3) 被害者側が出したカードに合わせて、詐欺師側がカードを出す。
(4) これを繰り返す。
【ゲームの終了】
以下の状況になるとゲームは終了となる。
・会話が続けられなくなった
・会話に沿ったセリフの手札がなくなった
・詐欺師側が、被害者側を追い詰め,振り込ませた。
【集計】
終了後、詐欺師側と被害者側でカードに貼付しているポイントを下記の点数で集計し、点数が高かった側の勝利とする。
・赤:3ポイント
・ピンク:2ポイント
・緑:1ポイント
【パス】
1人がパスした場合、代わりに同じチームの別の者がカードを出すことができる。➡1人2回まで可能。
手札がなくなった者はその後ゲームに参加できない
以上のルールに従って、考案した班以外のゼミ生から詐欺師側、被害者側それぞれ2名を選出してゲームを行いました。
詐欺師、被害者お互いにゲームを進めて行く中で、聴衆も含めてオリジナルのセリフを考え、騙す側、騙される側もそれぞれ白熱した攻撃と防御が続きました。
15分ほどの攻防の末、集計の結果詐欺師側の勝利となり、如何に騙されないためには知識と判断力、そのための犯行手口に関わる情報を知っておくことが必要であるかを学ぶことが出来ました。
ゲームを通じて詐欺師の騙し文句を学ぶことにより、被害者には免疫効果ができ、被害防止に役立つことが体感できる授業となりました。
これからも詐欺の実態を学び、より防犯効果が上がるゲームなどの研究を学生と共に進めて行きたいと思います。