心理学科コラム

202205.19
心理学科コラム

【心理学部】捜査はセンス、磨くのは自分

この言葉は、私が尊敬する上司であった人が退職間近に部下職員の捜査官に教養した時の資料のタイトルです。

センスという言葉を聞いて何をイメージしますか。

音楽的なセンス、芸術的なセンス、スポーツのセンス(素質)いろいろな言葉が使われますが、インターネットのgoo辞書(デジタル大辞泉 小学館)には

  1. 物事の感じや味わいを微妙な点まで悟る働き。感覚。また、それが具体的に表現されたもの。「文学的なセンスがある」「センスのよくない服装」「バッティングセンス」
  2. 判断力。思慮。良識。「社会人としてのセンスを問われる」

とあります。

緻密さ、感性、良識ある判断を下すための洞察力等と言ったところでしょうか。

これらの要素が捜査官としては大切であり、一人前の捜査官になるために人に頼るのではなく、また受身的に教えてもらうのではなく、自分から積極的に進んでセンスを磨く努力をしなさいと説かれたのだと私は考えます。

事件捜査では色々な客観的な証拠を集めて事件の全容を組み立てていきます。

事件の内容により求められるものが異なるため、様々な知識が必要で自ら勉強していく力というのは重要です。

例えば、遊園地のジェットコースターが暴走したり、レールを外れて地面に落ちたため、乗っていた人がケガをするといった事故が発生したとします。

刑事的には業務上過失傷害という罪になりますが、事件の真相を明らかにするためには、その原因が遊具を操る人による人為的ミスなのか、遊具を保守管理するする人による点検不足等による人為的なミスなのか、又は機械の誤作動によるシステムのエラーなのか等々多くのことを調べていかなければなりません。

ジェットコースターの構造やスピード、ブレーキの利き具合等を知っている捜査員は殆ど言っていいほどいないでしょう。

それでも捜査をする上では、その構造や工学的な知識を勉強しなければなりません。

大学での学びは自ら考え、自ら参加し、より多くの人と話し感性を磨いて行くものです。

その中に犯罪心理学的な感性を学べる当校で犯罪実務に直結した勉強をしてみませんか。

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【心理学部心理学科 教授 髙橋 浩樹】

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