臨床教育学専攻 3つのポリシー
アドミッション・ポリシー(入学者の受入れに関する方針)
本専攻では、修了及び学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)並びに教育課程編成の方針(カリキュラム・ポリシー)に定める教育を受けるために必要な、次に掲げる能力と意欲を備えた人を求めます。
(1)教育学の基礎的知識を有している。
(2)教育現場の諸課題に関するテーマについて研究計画を立てることができる。
(3)教育学分野の基礎的英語能力を有している。
(4)教育現場の問題を論理的に表現する能力を有している。
(5)教育の現場で活用できる専門的知識と実践力を修得しようとする意欲を持っている。
カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成及び実施に関する方針)
本専攻では、修了及び学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げる研究能力と専門的技能の修得のために、次のような教育内容と教育方法を取り入れた授業を実施し、教育評価を行います。
1. 教育内容
- (1) 教育学および臨床教育学に関する基礎的知識・技術を修得する科目群(「基礎科目」)、専攻する領域に関してさらに専門性を深め、また実践研究の基礎となる問題の立て方や方法論の学修を行うための科目群(「基幹科目」)、専攻する領域における現場での調査研究やフィールドワーク、実践体験を行う科目群(「展開科目」)という3つの科目群を配置します。
- (2) 専攻する領域によって、特別支援教育モデルとスクールマネジメントモデルの2つの履修モデルを置きます。
- (3) 1年次には自らの中心となる専門知識と方法論の基礎を固めることを中核においた学修と研究を行います。
- (4) 1年次には「人間行動学演習」を履修し、前半には先行研究の文献調査を行います。後半は、研究テーマを決定し、研究計画を作成します。
- (5) 2年次(長期履修制度利用者の場合は2年次以降)には「修士論文指導」を履修し、研究計画に従って、実験、調査、観察、面接といった客観的な手法を用い信頼性の高いデータを収集解析し、先行研究と比較し実証的に考察を加えながら修士論文の作成を行います。
- (6) 本専攻で学ぶ学校教員等の現職者においては、修士論文に代えて実践課題研究を選択・履修することもできます。実践課題研究では、指導事例研究や指導・支援の体制づくりの研究など、現場のニーズに応じた実践的な研究を目指します。
(7) 教育職員専修免許状の取得に必要な科目を体系的に配置します。
2. 教育方法
- (1)「基礎科目」、「基幹科目」では、発表や議論を用いた学修を行います。
- (2) 現在の学校が直面している教育実践上の課題について、理論と実践の融合を念頭に、実践と省察を繰り返しながら研究をすすめる実践的研究法(アクションリサーチ)を用いた学修を行います。
- (3) 修士論文の作成にあたっては、研究計画に従って指導教員に指導を受け、1年次と2年次(長期履修制度利用者の場合は2年次以降)に行われる3回の修士論文中間報告会で、他の教員の助言を受けて進めていきます。
(4) 本専攻で行われる人を対象とした研究は、全て関西国際大学研究倫理委員会に申請し審査を受け、承認を得て研究を実施し、論文の作成を行います。
3. 教育評価
- (1) 専門知識・技能は、科目ごとに評価を受けると共に、最終試験で口頭試問により指導教員以外の教員の評価も受けます。
- (2) 修士論文は、3回の中間報告会で指導教員以外の教員により形成的評価を受けます。
- (3) 修士論文は、論文発表会を行った後、主査1名副査2名の教員によって、①テーマの意義、②方法の妥当性、③データの分析・活用、④論理の構成、⑤有用性、の5観点からなる評価ルーブリックと口頭試問により審査評価されます。
- (4) 課程修了の認定を受けた者に対し、学長が学位を授与します。
(5) 実践課題研究を選択・履修した場合にも、(1) ~ (4) と同様の審査評価が行われます。
ディプロマ・ポリシー(修了の認定に関する方針)
臨床教育学専攻(以下、「本専攻」という)は、所定期間在学し課程に定める修了要件を充たすとともに、多様化する幼児・児童・生徒を理解・支援するために、次に掲げる研究能力と専門的技能を修得し、複雑化する教育現場で活躍するための実践力を身につけた者に、課程の修了を認め、修士(教育学)の学位を授与します。
項 目 | 説 明 |
---|---|
専門知識・技能 | 多様化する幼児・児童・生徒に関する専門的な理解と支援の方法を修得し、総合的に活用することができる。 |
問題発見力 | 専門領域の先行研究で十分に明らかにされていない研究課題を発見することができる。 |
調査分析能力 | 教育学の分野で使用される実験、観察、調査の手法を研究課題に沿って活用し、結果を導き出すことができる。 |
論文作成能力 | 研究成果を論理的な構成で実証的な論文としてまとめることができる。 |
課題解決策への提案力 | 教育現場における多様な課題を把握し、解決策を立案することができる。 |
コミュニケーション能力 | 専門領域の対象者、研究者または専門職者から国内外の必要な情報を収集し、自分の知識や考えを的確に表現・発信し、意見を交わすことができる。 |
倫理観 | 研究における行動規範を遵守して研究を遂行し、教育現場では倫理的問題を的確に判断・調整できる。 |