GS活動報告

202103.03
GS活動報告

【グローバルスタディ報告】フィリピンGlobal Teacher Program活動報告

Global Teacher Program (以下GTP)とは、特定非営利活動法人インターナショナルコミュニティ倶楽部が実施している海外の公立小学校で教育実習ができる留学プログラムで、フィリピン(セブ島)、フィンランド(北サヴォ県)、アメリカ(ハワイ)の3つの拠点で2016年から始動し、累計200名以上の学生が参加しています。


フィリピンプログラムでは、現地の文部科学省公認のプログラムとして、公立小学校で、算数や理科、美術や体育などを英語で授業し、2週間の滞在で、参加者それぞれが約4回の授業を担当します。授業実施前には、フィリピンの語学学校のネイティブ英語講師陣から、授業構成の相談や英語スクリプトの添削など、手厚いサポートを受け、1回目の授業デビューまでには、50分の授業に対して20時間以上の準備と練習を重ねます。十分な事前準備を行うことで、過去に参加した100名以上の学生たちは全員英語での授業を行っています。(GTPプログラム: https://gtp.ph.icc-npo.com/

教育学部、国際コミュニケーション学部から計10名の学生が参加した今回のプログラムでは、新型コロナウイルスにより、フィリピンに渡航できず、オンラインでの実施となりました。さらに、現在コロナウイルスの影響を受けて、フィリピンの多くの小学校では遠隔授業となり、教室での授業が行われていないため、「日本に興味を持っているフィリピンの若者」に対して、日本語・日本文化等についての授業を実施することとなりました。


大まかな授業の流れは、以下の通りです。

①事前学習:語学学校NILSの社長による講義
②メインプログラム:フィリピンの若者に向けて英語での遠隔授業準備・練習、授業実施2回
③事後学習:授業のフィードバック、レポート

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<事前学習>
初回の授業では、全員の自己紹介やプログラムのオリエンテーションを実施しました。その後、語学学校NILSの社長からコロナ渦のフィリピンの状況について話を伺いました。

<授業準備>

グループごとに以下のような授業テーマにわかれました。
・日本の食文化
・日本の近代文化
・初級の日本語


事前課題として、授業計画書をグループごとに作成してきました。そして、授業準備は主に現地の先生とzoomで繋ぎながら授業構成を練ったり、英語スクリプトを作ったりしました。その後、英語で授業を行う練習を行ったり、実際に模擬授業を英語で行ったりしました。

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<授業実践>

・食文化チーム
クイズも交えつつ、日本の和菓子や、テーブルマナーについて授業をしました。実物の和菓子などを使って授業を進めるなど様々な工夫を取り入れました。フィリピンの人たちは甘党の人が多いので、いつか是非食べてみてもらいたいと思いました。

・近代文化チーム
日本のアニメ文化と音楽文化を動画を使って授業をしました。音楽の授業では日本の伝統楽器について教えたり、それらを最近の音楽に取り入れている「和楽器バンド」なども紹介し、日本に興味を持ってもらうことができました。

・日本語チーム
ゲームも交えつつ、「数字の数え方」や「挨拶」など初級日本語について授業をしました。「こんにちは」「ありがとう」は知っていても、「おやすみ」「いただきます」などは、初めて知ったという生徒さんが多かったです。

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<授業後のフィードバック>


2回の授業それぞれ、終了後は我々日本人スタッフと現地の先生がフィードバックを行ってくれました。1回目の授業の初めの10分ぐらいは、非常に緊張しているメンバーが多かったのですが、2回目にもなると英語でも物怖じせずイキイキと授業をしている人が多かったのが印象的でした。

NILSの先生からの2回目の授業後のフィードバックも一部引用します。

「みんな先週からすごく上達していました!生徒たちと双方向のインタラクションがあったのもよかったです。先生になりたいのならば、自分がやってることを楽しむことを忘れないでね!教えると言うことは楽しいと同時に、学ぶ心も忘れずに!」


今後の予定:2020年度の受講生たちは、大成功のうちに2回の英語での授業を終えましたので、これからは自身の学びや変化をレポートにまとめたり、5月のポスターセッションに向けて準備する期間となります。

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国際コミュニケーション学部 清水 拓野
特定非営利活動法人インターナショナルコミュニティ倶楽部 平岡 慎也

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