教育福祉学科ニュース

202212.07
教育福祉学科ニュース

自然災害に強い実践的な教員を目指して

特別研究Ⅱ「防災教育演習」の取組から

 

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2022年度秋学期から「特別研究Ⅱ 防災教育演習」が開講しました。

日本は、阪神・淡路大震災や東日本大震災などの地震・大型台風接近による豪雨災害などが多発しています。また近い将来、南海トラフ巨大地震の発生も予想されており、世界的にも先進的な防災・減災対策、被災地の復興施策が展開されてきました。

防災教育演習では、災害の教訓伝承としての防災教育に注目し、学校園・施設での避難訓練・自然災害発災時の避難所設営・運営を実践的に学んでいきたいと考えています。また、演習のまとめとして、小学校での防災出前授業及び地域防災の実際としての地域総合防災訓練の参加も計画します。

まずは、小学校の避難訓練案作成に取り組みました。大地震が授業中に発生したら、教師はどのようにして子どもたちと教師自身の命を守り、安全に避難行動をとるのか、シミュレーションを行いました。実際にロールプレイすることで、考えていた動きに矛盾や不足が生じます。

  • 実際の大地震では「机の下にもぐる。頭を守る」動きができない子どもも多いと思う。教師の指示が絶対に必要。
  • 子どもたちの不安を取り除くためには、揺れている最中に教師の安心させる声かけが必要。しかし、実際自分自身が落ち着いて対応できるか不安。
  • 児童の人数確認が大切。現場ではパソコン上で出席確認をしているが、地震発災時に利用できる紙ベースの名簿が必要だと感じた。
  • もしも、けがをした児童がいたら、近くにあるものを利用した応急手当ができるか不安。
  • 避難訓練は児童の訓練ではなく、教師のための訓練だという事を実感した。

等の声が聞かれました。教員の視点で自然災害発災時の避難について考えをめぐらす姿が見られました。

避難訓練案の修正や実際に模擬避難訓練を行うことで、より具体的な改善をすべき点をみつけることができた。避難訓練を行うことの重要性はもちろんだが、訓練のまとめやふりかえり、評価を行うことで、次の訓練の課題や伸ばせるところをみつけ改善していけるのだと感じた。実際に自分もロールプレイで学級担任役をしたが、子どもたちへの伝え方、移動の仕方、声かけなど工夫しなければならないことも多く勉強になった。 《「避難訓練案作成」ふりかえりより》

「防災教育演習」の学修を経験しないで今回の防災マニュアルを見ても、問題点や改善すべき課題には気付くことはなかったと思う。前回HUG(避難所運営ゲーム)をし、悩んだり困ったりした経験があるからこそ気付きがたくさんあった。自然災害発災時の教職員の第一義的役割は、子どもの安全確保と教育活動の早期正常化である。避難所運営マニュアルを作る際に学校再開の基準や学校再開のマニュアルをつくる必要があると考えた。

《「避難所運営と学校再開」ふりかえりより》

防災教育演習は今後、避難所運営と学校再開、防災・減災学習出前授業と実践的な学習に取り組んでいきます。

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