
高大連携室
私立神戸野田高等学校における高大連携活動を実施

2025年1月11日(土)、神戸野田高等学校(https://kobenoda-h.ed.jp/)の1年生を対象とした「総合的な探究の授業に関わる体験授業」において、神戸野田高校が所在する長田エリアの社会問題や地域課題に取り組むという高校指導計画のもと、「こども防災教室を企画する」をテーマに、本学の田中綾子准教授とそのゼミ生が授業を行いました。


授業の冒頭では、ボランティア経験のある学生が、被災地の動画や写真を通して、様々な課題や問題点を提示しました。その後、災害カードゲーム「クロスロード※」を用いて、ペアワーク形式で授業を進め、学生は災害対応を自分事として考え、多様な意見に触れる中で、防災に関する意思決定に必要な情報や条件について理解を深めました。
災害カードゲーム教材「クロスロード」について
「クロスロード」は、災害対応をテーマにしたカードゲーム教材のことで、災害時をテーマとした問題カードに対して「Yes」か「No」で答え、自分の意見を示していくものです。このゲームを通じて、異なる意見や価値観に気づき、防災に関する意思決定の難しさを体験しながら理解を深めることができます。
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/keigen/torikumi/kth19005.html
(内閣府 防災情報のページ)


今回の授業を通じて、参加した生徒の皆さんは、災害発生時における自分の行動を具体的にイメージし、さまざまな状況下でどのような判断をすべきかを考える機会を得たと思います。また、参加者同士の意見交換を通じて、自分とは異なる価値観の存在や、災害対応に絶対的な正解がないことを学んでいただけものと思います。
本学 田中綾子准教授からは、生徒の皆さんに、今回の授業の考え方やねらい伝えつつ、こうした災害がいつ起きるかわからないけれど必ず起きるという点を認識してほしいと訴えられました。
また、能登半島の被災地に実際に足を運んだ本学学生からは、復興の遅れや液状化現象による被害に驚いたこと、災害の本質的なおそろしさは自然の力による人命や生活の破壊である点、そして生徒の皆さんが今後の進路は様々な未来があるけど、防災意識というものをもって、こうした災害から生き延びる知識を学んでほしいというメッセージが寄せられました。
授業の終わりに、神戸野田高校の進路指導担当である好村隆広 先生から、生徒の皆さんに対して「みんなは被災経験がないかもしれませんが、今回の授業を通して災害が身近な問題であることを理解し、防災に対する意識を高めてほしい」というメッセージが伝えられたことが、とても印象的でした。

今回の連携活動は、本学の学生にとって、防災に関する知識を実際に現場で活用し、その重要性を改めて認識する、貴重な機会となりました。神戸野田高等学校の皆様には、多大なるご尽力とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
本学は、今後も高大連携活動を通じて、防災教育の普及に努め、より安全で安心な社会の実現に貢献してまいります。