3つのポリシー

平成28年3月31日付文部科学省高等教育局長より通知のあった「学校教育法施行規則の一部を改正する省令の公布について」を受け、本学では3つのポリシーを策定致しました。

今回の改正は、大学及び高等専門学校が、自らの教育理念に基づき、育成すべき人材像を明確化した上で、それを実現するための適切な教育課程を編成し、体系的・組織的な教育活動を行うとともに、当該大学等の教育を受けるにふさわしい学生を受け入れるための入学者選抜を実施することにより、その使命をよりよく果たすことができるよう、全ての大学等において、その教育上の目的を踏まえて、「卒業の認定に関する方針」、「教育課程の編成及び実施に関する方針」及び「入学者の受入れに関する方針」(3つのポリシー)を策定し、公表することを求めるものとなります。

保健医療学部 看護学科"3つのポリシー"

1.卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)

看護学科では、126単位の修得と必修条件を満たし、以下の要件を備えた者に学士(看護学)の学位を授与します。この基準では、看護学における専門的知識、技術、態度とグローバルな視野に立った教養を基盤とし、学校法人濱名山手学院の教育ミッション(Communication、Consideration、Commitment)に基づく本学教育目標の6つの能力及び資質を総合的に活用して、科学的思考に基づくヒューマンケアを実践できる素養を持つことを求めています。

6つの能力・資質

[Communication;情報収集・意見調整・発信]

(1)多様性理解
様々な文化や価値観を持つ人々を理解し、看護の対象者の違いを尊重して行動できる。
(2)コミュニケーション力
対象者の思いや考えを理解し、自分の考えを論理的かつ工夫して伝えることができる。

[Consideration;熟慮・考察・思いやり]
(3)課題発見・解決力
看護の対象者の情報を収集・分析し、課題を発見し解決のための計画を立案・実施できる。
(4)専門的知識・技能の活用力
看護の現象を知識や技術を用いて説明し、個別性に合わせて活用できる。

[Commitment;参画・貢献]
(5)自律性
看護職を目指す者として、責任を持って意欲的に行動できる。
(6)社会的貢献性
社会のルールを守り、他者と協働しながら、国際感覚を持った看護職として社会に貢献できる。

2.教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)

看護学科では、「卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)」に掲げる知識や技能などを修得できるように、4年間の教育内容を体系的に編成し、教育方法を工夫して、達成状況を評価していきます。

1)教育内容

看護学科の教育課程は、基盤教育科目と専門教育科目で構成され、基礎から応用へ段階的に学べるように編成されています。これにより、科学的思考に基づいたヒューマンケアを実践できる看護専門職者の育成を目指します。

体系的な編成

全科目にナンバリングを行い、内容や難易度を明確化。履修の優先度を提示して、計画的な学びを支援します。

実践的な学び

教室での学びに加え、基礎看護実習、領域別実習、統合看護実習などを通じて理論と実践を統合します。また、グローバル専攻では海外研修を取り入れ、異文化対応能力を育成します。

(1) 基盤教育科目
大学での学びや卒業後の生き方の基盤を形成するために、以下の内容を学びます:
・Communication科目群
語学(英語・第2外国語)、ICTスキル、リーダーシップなどを学び、グローバル社会でのコミュニケーション力を養成します。
・Consideration科目群
「人間学」や「SDGsと持続可能性」を中心に、社会的課題を科学的視点で考えます。また、データサイエンスの知識やスキルも習得します。
・Commitment科目群
国外の経験学習(グローバルスタディ)を通じて、多文化共生の視野を広げ、社会課題への対応力を養います。

(2)専門教育科目
専門教育科目では、看護学で求められる知識や技能の基礎を学びます。
看護学に求められる知識や技能を段階的に修得します。
・1年次
医学、社会学、心理学を学び、人を心身の両面から理解。基礎看護学の講義・演習・実習を通じて、看護の基礎的知識と技術を習得します。
・2年次
領域別看護学の講義や演習を行い、学生の希望や適性に応じて以下の専攻を選択します:
(ア)看護学専攻
科学的思考に基づいたヒューマンケアを学びます。
(イ)看護グローバル専攻
文化背景の異なる対象者への看護実践の基礎を学びます。
・3年次
領域別実習で、大学で学んだ知識を現場で実践できるよう学びを深めます。グローバル専攻では海外研修を通じ、異文化背景が看護に与える影響を学びます。
・4年次
卒業研究および統合看護実習を通じて、専門教育内容を統合・総合化します。グローバル専攻では海外研修の振り返りや報告を通じて異文化対応能力を強化します。
・資格取得と専門分野への対応
助産師コース・保健師コースは、3年次に学生の希望や適性を考慮して選抜し、国家試験受験資格取得に必要な科目を履修します。

2)教育方法

(1)アクティブラーニングの導入
・グループワークやディスカッションを活用し、学生が主体的・能動的に学べる環境を提供します。
・領域別実習や統合実習、グローバルスタディを通じて課題発見・解決能力を養成します。実践的な経験を次の学びに活かします。

(2)フィードバックと振り返り
・学期中・学期末に複数回の評価を行い、答案やレポートを返却して学習課題を明確にします。
・学修ポートフォリオを活用し、自己評価や振り返りを行い、アドバイザー教員との面談を通じて理解を深めます。

(3)AI・ICTを活用した教育
・生成AIを授業に活用して知識やアイデアを広げ、信ぴょう性や実現可能性の判断力を養います。
・LMSを利用して予習・復習、小テスト、レポート提出、学修ポートフォリオ作成を支援します。授業は対面型、オンライン型、またはその併用で実施します。

(4)計画的な学修
・学修フローチャートを提供し、学生が卒業後の進路を見据えて4年間の学修計画を立てることを支援します。計画の進捗を随時確認し、必要に応じて修正しながら目標達成を目指します。

(5)国家試験対策
・国家試験受験資格に必要な専門的知識を1年次から段階的に学びます。
・eラーニングを活用した自己学習の推進や外部テスト結果のモニタリングを行い、模擬試験や対策時間を設け、計画的に学修を進めます。

3)教育評価

(1)形成的評価と総括的評価
・各科目では、テスト、レポート、プレゼンテーションを通じて学修成果を評価します。
・学期中に形成的評価を行い、学生の理解状況を把握して補習やフィードバックを提供します。
・学期末には総括的評価を行い、成績はこれらを組み合わせて多面的・総合的に評価します。

(2)KUISs学修ベンチマークによる到達度の確認
・半年に一度、ディプロマ・ポリシーに掲げる能力及び資質の到達度を、学生が自己評価を行います。
・教員との面談を通じて成長を確認し、次の学修目標を設定します。

(3)2年次終了時の到達確認試験
・2年次終了時に、「卒業研究」を履修する基礎レベルが修得できているかを評価する「到達確認試験」を実施します。
・不合格者には再試験を課し、その合格を求めます。

(4)統合看護学実習及び卒業研究による総合的評価
・統合看護学実習および看護学に関わる課題をテーマとする「卒業研究(必修)」を通じて、4年間の学修成果を総合的に評価します。

・評価は複数教員が共通の評価指標(ルーブリック)を用いて行います。

3.入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)

(求める学生像)

看護学科では、「卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)」及び「教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)」に基づいた教育を受けるために必要な、次に掲げる知識・技能や能力、目的意識・意欲を備えた人物を求めます。

(高等学校での修得が望ましい水準)

(1)知識・技能
・高等学校で幅広い教育課程を修得している。
・国語(現代の国語、言語文化)、英語での基礎的な言語運用能力(英検3級程度)を身につけている。
・看護学を学ぶ基礎となる理科(生物基礎または化学基礎)や数学(数学Ⅰ・数学A)の基礎的知識を修身につけている。

(2)思考力・判断力・表現力
・医療や看護に関連する身近な課題について、知識や情報をもとに筋道を立てて考え、その結果を説明することができる。

(3)主体性・多様性・協働性
・看護学に強い関心を持ち、社会でその知識や技術を活かす意欲を持っている。
・グループ学習や課外活動、ボランティア活動の経験があり、他者と協力して課題を解決する能力を持っている。

(4)入学前教育への取り組み
・eラーニングプログラムを通じて基礎的知識を身につける入学前教育に、最後まで取り組むことができる。