看護学科コラム

202006.08
看護学科コラム

【看護学科】『看護師びっくり場面の対応について』

実際の臨床で看護師として勤務すると様々なびっくり場面に出くわすことがあります。そういう時は、看護師として頭も体もフル回転することとなります。

例えば、夜勤をしている時に、下部消化管出血(大腸などの体の下の方の消化器からの出血)で入院している患者さん。夜間の状態観察のため、その患者さんの元に訪れると大量の下血(お尻から血がでてきている)で、シーツまで真っ赤に。

ここで、自分の頭でとっさに考えて判断します。患者さんの意識状態、顔色は、血圧や脈拍の変化、下血の性状や量、主治医への報告、周りの看護師への報告と応援要請の有無...などなど。

患者さんの状態を情報という形でとらえて、必要なこと、必要でないことを取捨選択し優先順位を判断します。それと同時に行動にも移していきます。

01.jpg

看護師としての基礎を大学生の間に学び、身に付けておくことでこんな事態にも対応できるようになります。

看護学科で学ぶことは、机の上で教科書とパソコンを広げて学ぶことだけではありません。演習や実習といった実践に則した授業を通して、看護師としての技術や判断、考え方を学んでいきます。

ナイチンゲールも著書のなかで「私たちは知識ではなく実践を必要としています。私たちが何かを《知る》のはそれを《行う》ことによるのです。イタリアの有名な格言によれば、『人はその行いの分に従って知る』のであって、その行い以上に知ることはないのです。」と、看護を学ぶ上で実践がどれほど大事か述べています。

02.jpg

「私には無理かも」って思う方もいることでしょう。でも、そこは大丈夫。看護学科の教員は病院や施設、在宅などで看護を実践してきた本物の看護師です。本物の看護を4年間かけてじっくり学ぶことで、看護の基礎が身に付きます。

新型コロナの影響もあり、この数か月で医療従事者の大切さがとても強調されてきています。身に付けた看護の基礎技術を実際の看護場面で活用し、様々なびっくり場面でも対応できるような看護師さんがたくさん増えていってほしいと思います。

【引用文献】
Florence Nightingale(1872-1900).Selected addresses of Florence Nightingale : addresses to probationers and nurses of the Nightingale School at St.Thomas's Hospital,
(フローレンス・ナイチンゲール.湯槇ます・小玉香津子・薄井坦子・鳥海美恵子・小南吉彦 (編訳)(1977).新訳・ナイチンゲール書簡集 : 看護婦と見習生への書簡 現代社白鳳選書)

【保健医療学部 看護学科 楠本 真生 助教】

この記事をシェアする

  • Facebook
  • LINE
  • Twitter