看護学科コラム

202006.01
看護学科コラム

【看護学科】『依存症ってどんな病気?』

皆さん、何かにはまった事はありますか?ネット、ゲーム、買い物、お酒、異性など。依存の対象となる物質や行為は様々です。しかし、普通にはまる事と病気の違いは何でしょうか?その境目は何かというと、簡単に言えば、コントロールできるか、できないかです。

依存症は、「コントロール障害」と言われています。例えば、薬物やお酒をやめようと思っても、自分ではやめられない状態の事です。だから、本人がいくらやめようと思っても、やめられないから病気なのです。

例えば、アルコール依存症の人に「お酒をやめて!」と怒っても、無駄です。また、本人が「もうお酒は絶対飲まない」と約束し、努力しても、それは守れません。それは病気だからです。

お酒が止まらないなら、病気は治らないのではないかと思いますね?依存症は治りませんが、回復は可能な病気です。
普通、骨折しても、骨が再生されると元通りになります。しかし、依存症になったらその体質を戻すことはできません。その体質を忘れないで、生活していく必要があります。

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もともと、依存症になる人は、人に頼る事が苦手な人も多いです。
困難な状況下で、人に頼るのではなく、依存物質や依存行為の力を借りて乗り切っている人も多いです。そのため回復では、依存物質に頼るのではなく、人とのつながりを得て、その自分を変えていく必要があります。

自分の気持ちに気づいたり、しんどい思いを人に話せたり、それを誰かに受け止めてもらえたり、人とのつながりの中で、自分の人生を取り戻す作業が依存症の回復には必要です。

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自分のしんどさに気が付き、そんな時、依存物資や依存行為に頼るのではなく、自分なりに別の対処ができるようになると、依存物質や依存行為が必要にならなくなってくるようです。

依存物質や依存行為が自分には必要ないと感じられるようになると回復しているのかもしれません。

【保健医療学部 看護学科 西村 美登里 助教】

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