看護学科コラム

202009.29
看護学科コラム

【看護学科】『眠りと夜ふかし』

ふだん、何気なく過ごしている眠りについて考えてみましょう。

生物にとっての眠りとは?

地球に棲息する全ての生物は、1日24時間の中で生きています。
生物は環境に適応するため特有な体内のリズムをもち,生物種により活動に適した時間は異なります。人間が持つ体内時計は25時間なので、毎日1時間リセットし地球環境の24時間に合わせています。
リセットするために最も効果的なのは起床時に光をあびることです。そうすることで、体内時計は地球時間と同調し活動しやすくなります。
このリズムは生後4か月頃に形成されています。

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なぜ眠りは生物によって異なるのでしょう?

ゾウの時間とネズミの時間を眠りから解いた報告があります。
身体の大きなゾウは2時間程しか眠りませんが、身体の小さなネズミは長時間眠るそうです。体重当たりのエネルギー消費量と睡眠時間との関係は反比例していて、大きな動物ほどエネルギー消費量が低く睡眠時間は短いのですが、小動物ほどエネルギー消費量が高く睡眠時間は長いのです。
それでは、人間はどうでしょう。子どもは成長するための生命活動が活発なので、大人よりもエネルギー消費量が大きく、睡眠時間もより長いです。

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なぜ夜ふかしはいけないのでしょう?

子どもの睡眠の夜型化が指摘されています。霊長類が昼間に活動し夜間に眠る行動パターンを身につけたのは、約3800万年前と考えられています。エジソンの白熱電球の発明から約130年しか経っていないので、昼間に活動するようプログラムされている私達の身体は,生活が夜型化になっても急には修正できません。
夜ふかしをすると起床時間が遅くなり,さらに夜眠る時間も遅くなります。また、夜間に光をあびると地球時間と同調するのが難しくなり、なんとなく身体がだるい等の不調につながり、午前中はボーっとした感じが続いているような状態になります。夜間に分泌されるメラトニンというホルモンは1~5歳の頃に最も分泌され、眠りを通し健やかな成長を支えますが、夜間に光をあびると分泌に影響が出てきます。
それらを予防するには、朝起きて光をあびること、あるいは運動したり、温かい飲み物を飲んで身体を暖かくして、一日のスタートを活動的に始められるようにしましょう。

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【保健医療学部 看護学科 中島 登美子 教授】

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