看護学科コラム

202011.25
看護学科コラム

【看護学科】『すべての保育所に看護師を!』

多くの幼い子どもたちが長時間過ごす保育所で、子どもたちや保育士さんたちの健康を守っている看護師がいることを知っていますか?
全国の保育所の施設数は23,551か所で、保育所に通っている子どもは218万人を超えています(2019年3月1日現在)。また保育所で働く看護職は10,295人という調査結果もあります(2018年10月1日現在)。

働くお母さんは年々増加しており、幼い子どもを持つ世帯でも共働きが当たり前になってきています。
働くお母さんが仕事と育児を両立するためには、保育所はなくてはならない場所であり、地域での子育て支援も含め保育所に求められる役割は大きくなっています。

保育所は、保護者の就労状況に合わせた延長保育、夜間保育、一時預かり、休日保育等とともに、子どもの健康問題に合わせた障がい児保育、病児・病後児保育など多様なニーズへの対応が求められるようになりました。

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保育所に求められる役割が大きくなる中で健康支援の専門職である看護師が保育所で果たす役割はますます重要なものになると思います。
保育所での看護師の役割は、子どもたちの健康状態の把握、健康管理、健康教育、病気・ケガなどの対応、事故防止・感染予防・安全対策など健康な環境づくり、保護者との連携、医療・療育機関との連携、保健指導、育児相談など多岐にわたります。もちろん保育も行っており、特に0歳児を担当することが多いようです。

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全国の認可保育所を対象とした調査では、看護師が働いている保育所は全体の約3割という結果があります。
子ども時代は成長発達が著しい時期であり、機能的な未熟性もあり、急変することが多く、不測の事態も起こる可能性が高いです。また、子ども時代に獲得した健康観や生活習慣は、その後の健康、生活に大きく影響すると思います。
学校に保健の先生がいるように、保育所でも子どもたちの健康を守る専門家が必要だと思います。

健康な子どもだけでなく、医療的ケアが必要な子ども、障がいを持ちながらも地域社会で生活している子ども、すべての子どものその子らしい健やかな育ちを支援し、安全と健康を守れるよう、すべての保育所に看護職がいるようになればいいなと思います。
みなさんは、どう思いますか?

【参考文献】
全国保育団体連合会・保育研究所編(2020):保育白書,ちいさいなかま社.
全国保育園保健師看護師連絡会編(2014) :新・保育の中の保健,全国保育園保健師看護師連絡会.

【保健医療学部 看護学科 横山 利枝 助教】

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