看護学科コラム
【看護学科】『コロナ禍で学ぶ看護学生たちのつぶやきと成長』 ~オープンキャンパス「高齢者体験」から~
「私たちは、今、きちんと看護を学べているのでしょうか。」こうした学生のつぶやきが、ときどき聞こえてきます。コロナ禍での授業形態の変更、看護の実際を学ぶ病院実習等の中止など、学修方法も変わったことが、学びの実感を得られにくく不確かにしているのでしょうか。
新型コロナウィルスは、WHO(世界保健機構)ですら1年以上関わり、いまだ終息できない曲者です。ただ、コロナ禍で学びの実感が不確かであろうと、あなたたちは看護を学び成長しています。
このような学生のつぶやきもあり、今回は学生が成長しているなぁと感じた一場面を、12月の老年オープンキャンパスをとおして御紹介したいと思います。
今年度は、例年より少人数、短時間でしたが、参加された高校生の方には加齢変化のミニ講義後、高齢者体験をしていただきました。通常は2年生の授業で学ぶ高齢者体験ですが、今年度は遠隔授業となったため別な機会に組み込むことになりました。そのため、今回「高齢者体験」担当の1年生は、既に学んだ先輩たちと練習し、オープンキャンパスに臨みました。
本番では学生同士の連携と練習の成果で、参加者に重りつきジャケットや、関節の動きを制限したサポータ等をスムーズに装着することができました。
高校生には遥か先の加齢体験と思えましたが、杖を片手に高齢者に扮した姿はそれなりに老人らしい佇まいを醸し出しました。また、その横でユニフォーム姿の学生たちも、準備段階からの感染予防対策に始まり、実施中は高校生を配慮した声掛け、高齢者に扮した際には、ゆっくりとした歩調に合わせ動線や傾斜を意識した転倒予防対策等々、お互いが目配り気配りする様子に、粗削りながらもそれまで学んだ看護が反映されておりました。
途中学生たちと談笑する高校生の姿は、近い将来、看護専門職の後輩になるのでは、という淡い期待を抱かせてくれました。
さて、最後に学生のつぶやきに答えたいと思います。「私たちが教えることは同じです!今、目の前の学びにしっかり取り組むことが、きちんと学んでいくことに繋がっていくのでは。」と伝えておきますね。そろそろワクチンも開発されてきたようです。看護学生は、看護を学ぶ最前線にいます。どのように学んできたかが問われます。今だからこそ、学べることもあり、それが強みになるでしょう。