心理学科コラム

202105.12
心理学科コラム

【心理学部】サイバー空間の捜査①

サイバー犯罪は「現場のない犯罪」と言われます。

ネット空間を利用した犯罪ですから、確かに殺人事件や強盗事件のような立入禁止の黄色いテープを張るような現場はありません。警察では「現場百回」「現場に戻れ」と言われ、刑事ドラマなどでもよく出てくるセリフです。
犯行時間や犯行時の天候と同じ条件の時はもちろん、犯人が下見をしている場合も考え異なる時間、天候の現場を見ることも必要です。しかしそのような現場のないサイバー犯罪はどうやって捜査して行くのでしょうか。

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ネット上にはその経路を通過した様々な痕跡が残ります。
被害者のコンピュータを調べることで犯人がどこから被害者のコンピュータに侵入してきたのかその足跡を探すのです。後は警察犬が犯人の臭いを追いかけるように、ネット上の経路を犯人の元へ元へと追跡していくのです。

コンピュータにはログと言われる様々な記録が残ります。例えば皆さんが使っているコンピュータを起動した時間、終了した時間はもちろんインターネットを使用した様々な記録が残っています。このログは犯人の足跡が残る証拠の宝庫です。サイバー捜査官はログを中心に解析といわれる捜査を駆使して犯人を追いかけています。そのため情報技術に掛かる知識はもちろんですが、現実空間の捜査で習得した捜査技法、犯人を捕まえてやるという執念など心理的な側面も駆使して捜査をしています。

サイバーセキュリティの知識と実際の犯罪実務を学び、犯人を追いかける方法や犯罪者の心理を勉強しましょう。

【教授 髙橋 浩樹】

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